ヤンキー同級生さんの心情
side 山田雪
「はぁ〜早く着きすぎかな〜」
昨日入学したばっかの学校にめちゃくちゃ早く着いてしまった…。昨日の入学式じゃあ1人も喋れなかったから、今日こそはと思って早くきたけど…流石に1時間前はやり過ぎたかも。
「今日こそは絶対に高校デビューを決めなければ。あ〜あ〜んんっ…私山田雪よろしく。うん、完璧にダウナー系美少女できてるわ」
ここまでの流れでだいたいの人はわかるだろうけど…そうです、私中学校の頃はめちゃくちゃ不良やってました。結構地元がヤンチャな子が多くてさ、その流れに身を任せてたらいつの間にか総長になってたんだ。そんな喧嘩三昧な日々を送っているとある日、切なくも甘酸っぱい神アニメを傘下の子に勧められて見たんだよ。その中でダウナー系のヒロインがかっこいい男の子と素敵な恋をしてたんだよねー。その時心が震えたと言うか…私もいつかこんな恋をしてみたいなって思って、ダウナー系に転身を決めたんだ………おい、笑うな!
「ダウナー系ってやっぱミスったかな…いやいや、そんなことはないっしょ。だってあのアニメのヒロインもダウナーだったし…」
ただ正直悩んでるのよ、自分を隠して演じ続けるのは結構きついからね。わざわざ違う県の学校に来て、一人暮らしをして地元の友達とはなるべく連絡を取らないようにして心機一転!そんな感じで逃げ道を無くしても、ちょっと心が折れそうになっている2日目でした。
「…せめて、本当の私を曝け出せる人が作れればなぁ」
そうすればきっと、幾らか心は休まるだろう。
「45分前…そろそろ誰か来るかな。一回メイク直しにトイレいこーっと」
友達を作るため、それと素敵な恋をするためには完璧なメイクが必要不可欠!まぁ、ナチュラルでも私結構可愛いんだけどね。結構女の子にモテるし!そんなことをふざけたことを考えながら扉を開けたら綺麗な子がいた。
「…このクラスの人?」
「あ、そうです。昨日の入学式は寝坊しちゃってこられなくて…」
「そう…」
そりゃそうよね、この教室の扉開けてんだもん。さて、ダウナー系で会話ってどうやってするんだろう…何も考えてなかった。どうしよっか…とりあえずフィーリングで表情を変えないように…てかこいつ女にしては背が高いな。私より高い奴なんてそうそう見ないからびっくりだよ。
「…入んないの?」
「入ります…」
ダウナーきっとこんな感じだと思う!…あれ、何でこいつ男生徒用の服着てんだろ。…学校にコスプレしてきてんのかよ、やばいやつじゃん。
「ねぇ」
…いや、聞かずに判断するのは良くないな。
「なんで、男子生徒用の制服着てるの?コスプレ?」
「いや、俺はお…」
ん?なんかめっちゃ悩んでるんだけど…。もしかして、ずっと家の言いつけで男の子みたいに育てられてきたってこと!?それで自分を主張できずにいるのか…もしかして私と一緒で本音で語れる相手がいないのか…?そうだとしたら…味方になってあげないと!
「お…?」
「そんなことは置いといて可愛い君に聞きたいことがあるんだけどさ、女の子同士で身体触るの興味ない?」
「ない」
なーんだ、ただのレズか。私は女も男も…どっちもいけるし経験豊富だから乗ってやっても良いんだけど…私の脳内ダウナー系美少女ならそんなことは絶対しない。おそらくここでの最適解は我慢だろうな…よし、離れよう。
*男性は経験無しです
「そんなこと言って少しは興味あるでしょ?」
「ない」
「…嘘ついても無駄だよ、身体はこんなに正直なんだからぁぁ!イタタタタタッごめんなさい!もう触らないので許してください!」
やばっしつこいから反射的に関節技決めちゃった!まぁさ、よくよく考えたら1人ぐらい襲ってもバレないし…いっか!イカせまくれば何とかなるっしょ、私女の子同士の得意だし。それにしてもなんだよこいつ襲ってほしいからあんなに煽ってきてたのか?ドMか?…よく見ると結構綺麗な顔してるし嗜虐心煽る顔してるな…やばいドSの血が騒いできた…!
「はぁ、そんなに身体に触って欲しいんだったら触ってあげるから。…どんなに気持ち良くても絶対逃げんなよ」
よし、こいつ泣かそう!調子乗り過ぎてるわ。んっしょ、とりあえず下着を脱いで口に詰めるか…話はそれからだよな。…べ、別にちょっと気分が高まってムラムラしてきたとかじゃないから!本当だからな!
「おい、暴れるなって。さっきからこっちが我慢してるのをいいことに、散々挑発してきやがって。ゼッテー泣かせてやる」
はぁはぁ、やばいなぁ…最近ご無沙汰だったからこの子のこと壊しちゃいそうだよ。…いや、どーせドMの変態なんだから壊れるまでいじめてやるか!
「ズボンの中にこんなに硬いの入れちゃって…ふっ学校におもちゃつけてくるなんて、可愛い顔して随分と変態なんだなぁ。これからお前の方は変態ちゃんとでも呼んでやろうか?」
うっわ…相当おっきくて硬いおもちゃをパンツの中に入れてやがるよ…こいつは想像以上だ。あったかいしズボンがめちゃくちゃ盛り上がってる。これはだいぶ高い奴だと見た…やっぱ変態だな。
ガチャガチャ
さて、どんな下着を履いているのかな…?多分、変態だしスッケスケの紐パンとかかなぁ…?…は?まじかよこいつ…男ものはやばいって!ここまでのやつは初めてだよ、くぅ〜壊し甲斐あるなぁ!
「全く下着まで男物とかお前本当に変態だな…さぁ生まれた時の姿に教室でなっちゃいな!…え?」
…あれ〜おもちゃじゃなくておっきなバナナが勢いよく飛び出してきたぞ…。これってまさか…いやいやそんな筈はないよね?だって男の子が学校に来る筈ないもんね!だって男の子だったら綺麗な顔をしてるし、私より背が高い筈だし、何より男の子の制服着てるは…あれ?
「…スゥゥ…えっもしかしておま、あなたって男?」
「…そうです」
あ、おわた。男性保護法第9条ひっかかったわ。…私恋をするためにここまで頑張ってきたのに、地元離れて勉強めちゃくちゃ頑張ってきたのに。これで人生終了か〜、なら一回犯しておくか…?いや、それは人道に反するよなぁ…どうしよう…。一回謝ってみるか…?古来より日本には土下座という反省の意を示す高等技術があるからそれに全てをかけるか?うん、流石に謝ろう。トラウマにして、たたなくなっちゃったらこの世の損失だしまじで死刑になるかも…そしたら妹や家族にも迷惑かけちゃうし…。
「たいっっっへんに申し訳ございませんでした!!!」
許してくれとは言わないけど、せめて家族に迷惑がかからない処罰にしてほしいな…。
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