ヤンキー気質な同級生さん

 

 

 

 

 チリリリッチリリリッ

 

「ふわぁ〜もう朝か…。眠いなぁ」

 

 規則的なアラームの音で目を覚ます。…今日は知っている天井で良かった。さて、今日早めに起きたのには理由がある…それはこの世界に来て2日目、ついに学校に行けるのだ!そして、学校に行って頑張るんだ俺!あの青い春を取り戻すために!

 

「でもうまく行けるかな…」

 

 新生活は誰だって不安になると思う。特に俺の場合は緊張しいだし、何より世界が違うからさ。昨日お風呂から出たあとに、百合お姉さんに学校のことについて色々聞いてみた。そうしたら、前世では考えられない会話をしていた。

 

『えっ!?シュウちゃん学校に行くの?』

『あれ、言った気がするんだけど…言わなかったけ?』

『ダメだよ!?思春期の女子高生の中にシュウちゃんが飛び込むなんて!肉食獣の中に飛び込む羊だよっ危ないよ〜。学校なんて行かなくても私が勉強を教えるし、一生私が養うからお金の心配もしなくて良いし、なんでも言ってくれればいうこと聞くからさ〜。行かないでよ〜私のことをお家で待っててよぉ〜』

 

 という会話があって、泣きながら服を掴まれてガチで止められていた。そんなやばいのかよ…いや、流石に誇張してると思うけどなぁ。その後最大限に気をつけるからと言ってもダメだと言われたので、ふざけて行ってきますのちゅうを毎日すると言う条件を提示したら渋々だが、引き下がった。いや、それでいいんかい。

 

「よし、良い感じに決まってるな!制服もバチバチに似合ってるし完璧だわ」

 

 まじでこのイケメンずるいわ…いや、俺なんだけどね。もしかしてなんだけど、この世界の顔面偏差値って全体的にバカ高い説あるか?東雲さんも百合お姉さんも高いし、もちろん俺も高いから…これはあるな。

 

 コンッコンッコンッ

 

「シュ、シュウちゃんご飯できたよ…。…きゃあ、これ夫婦みたいっ…」

 

 なんか小声で言ってるの聞こえてるんだけど…。

 

「分かったすぐ行くねー」

 

 よし!カバン持ってスマホ持って学生証持って下に行きますか。

 

「おはよう百合お姉さん」

「お、おはようシュウちゃん」

「お、今日は鯵のひらきと漬物と味噌汁か〜美味しそうだねっ。それじゃあ早速いただきまーす…うん、美味しい!」

 

 やっぱり普通にうまいなぁ…。百合お姉さん料理スキル高すぎる。

 

「ねぇシュウちゃん…本当に学校に行くの?」

「行くよ、昨日説明した通りだよ。俺は成長するために学校に行って、いつか百合お姉さんの力になりたいんだ」

「そうなんだけど…その…やっぱり心配になってちゃって」

「大丈夫、俺を信じて」

 

 だいぶくさいこといったわ…ちょい恥ずい…。しかも、めっちゃ嘘ついてるし…。俺が学校行きたい理由ってぶっちゃけるとjkに会いたいだけだからね。青い春とか言ってるけど9割9分甘酸っぱい恋愛したいだけだから。

 

「…分かった、本当に気をつけてね?」

「うん、心配してくれてありがとう。じゃあ俺そろそろ学校に行くね」

 

 ご飯を食べ終わり洗い物を洗おうとしたら、そんなことさせられないと仕事を取られてしまった。だからその分早く学校に行こうかなと思い、荷物をまとめた。

 

「シュウちゃん気をつけてね」

 

 チュッ

 

「うん、百合お姉さんも気をつけて仕事行ってね」

 

 バタンッ

 

 さぁ、学校に行きますか!

 

 

 

 

 到着ー。

 

「ここが洋星学園…結構新しめの校舎だな」

 

 えっ学校に着くまでが早いって…?ふっ俺は昨日の迷子の件を反省して、昨日あらかじめルートを念入りに調べていたのさ!え、遠足前の小学生みたい?…ち、ちゃうから!

 まぁそれは置いておいて…ちょっと早く着きすぎたな…学校あんま人いないや。まぁいっかとりあえず教室行きますか。

 

「1年1組…ここかぁ。やばい緊張するよ…お前誰とか言われたらどうしよ…よくよく考えたら知ってる人1人もいないよな…」

 

 そんな感じで教室の扉の前でちきっていたら、ガラガラッという音と共に桃色の髪を顔の横で三つ編みにしている美少女が出てきた。数秒間顔を見つめ合った。うーん気まずい…。

 

「…このクラスの人?」

「あ、そうです。昨日の入学式は寝坊しちゃってこられなくて…」

「そう…」

 

 気まずっ!そりゃそうよな初対面なのにタイミング悪くドア開けちゃって、そこに昨日いなかったやつがいるんだもん!

 

「…入んないの?」

「入ります…」

 

 いや、こんなんじゃ青い春出来ないんだけど…!なんで、こんなお通夜みたいなテンションなの…。てか、多分この子もだいぶ会話苦手でしょ。くっそ〜この世界なら男ってだけで青春できると思ったのに。

 

「ねぇ」

 

 これってなんか、怒られそうな感じ?なんか顔怖いし声色冷たいんだけど…。

 

「なんで、男子生徒用の制服着てるの?コスプレ?」

 

 いや、バレてなかったんかい!

 

「いや、俺はお…」

 

 いやちょっと待てよ、せっかくなら面白く性別を明かしたい…。どうするかぁ…そうだ、俺の体触らせてセクハラするか?いや、この場合は逆セクハラか?どっちだとしてもこの世界なら多分犯罪にはならなさそうだし。それに教室に男女2人きりってなんか興奮するシチュだし…ジュルッ、おっと涎が。とりあえず女の子のフリして、体触らせるか。

 

「お…?」

「そんなことは置いといて可愛い君に聞きたいことがあるんだけどさ、女の子同士で身体触るの興味ない?」

「ない」

 

 即答かよ!どうしよう早くも作戦失敗したんだけど…まだ行けるか。うん、きっと行けるはず…続行で。

 

「そんなこと言って少しは興味あるでしょ?」

「ない」

「…嘘ついても無駄だよ、身体はこんなに正直なんだからぁぁ!イタタタタタッごめんなさい!もう触らないので許してください!」

 

 肩に手を回したら間接技決められて倒されたんだけど…この世界の女性怖いよぉ。無理じゃんそんなことされるんじゃ。普通にカミングアウトしよ…。

 

「はぁ、そんなに身体に触って欲しいんだったら触ってあげるから。…どんなに気持ち良くても絶対逃げんなよ」

 

 …!ゾクってしたぁ!!やばいなんか両手重ねて抑えられて口に下着を…んー!

 

「おい、暴れるなって。さっきからこっちが我慢してるのをいいことに、散々挑発してきやがって。ゼッテー泣かせてやる」

 

 やばいやばいガチで襲われる!ちょっとドッキリして脅かしたかっただけなのに…。ていうか、さっきとキャラ違いすぎじゃない?!

 

「ズボンの中にこんなに硬いの入れちゃって…ふっ学校におもちゃつけてくるなんて、可愛い顔して随分と変態なんだなぁ。これからお前の方は変態ちゃんとでも呼んでやろうか?」

 

 くっそぉ…正直すぎるって俺の体!あと、おもちゃじゃなくて自前なんですけど!

 

ガチャガチャ

 

 あっやばい服脱がされる!やめてっ!初めては心を通わせた彼女って決めてるのっ。

 

「全く下着まで男物とかお前本当に変態だな…さぁ生まれた時の姿に教室でなっちゃいな!…え?」

 

 きゃぁぁぁ!やだ、もうお嫁に行けない…。あれ、さっきまではちょけてたけど、これ結構ガチでやばい状況じゃん…大丈夫かな…?

 

「…スゥゥ…えっもしかしておま、あなたって男?」

「…そうです」

 

 あ、分かりやすく人生終わったって顔してる…。顔真っ青じゃん。とりあえず下半身を直して、口に入れられてた下着はポケットに入れてと。ふむ、黒のレースか…悪く無いな。

 

「たいっっっへんに申し訳ございませんでした!!!」

 

 いやデジャブッ!

 

 

 

 

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