部活動見学





 校長先生のお願いを聞いてから一週間と少しが経って、だいぶ学校にも慣れてきた。朝ごはんを食べていってきますのちゅーをされて、学校に来て真面目に授業を受けて、雪たちとお昼を食べて、残りの授業を受けて帰る。そのサイクルが日常と化していた。そして昨日は部活の入部期間が終わったところだ。つまり今日から俺は部活の見学や所属が可能になった!まったく、この日をいつまで待ち望んだか…。


「いや〜今日から本格的に部活始まるの楽しみだね!」

「そうだね、楽しみ」

「わたくしも部活動なるものは行ったことがありませんのですごく楽しみです」


 …そういえばこの子らがどの部活に入ったか聞いてなかったな…会話の流れからして同じ部活っぽいけど。てか、この三人いつの間にかめちゃくちゃ仲良くなってて驚いた。


「そういえばさ、みんなってどの部活に入ったの?」


 質問をしながら考える。うーん…これは予想し辛いなぁ…。雪はヤンキーだけどダウナー語ってるから文学部とか入りそうか?そんでもって元気な春奈ちゃんはテニス部、お嬢様の城ヶ崎さんは書道部っぽいイメージがあるんだよね。あかん、この三人のイメージがバラバラ過ぎてどこか分からへん…。


「あれ修斗くんに先週言った気がするんだけど、もしかして…ボーッとしたりして話聞いてなかったの?」


 ハムスターのようにプクッとほっぺたを膨らまして、腰に手を当ててちょっと怒ってます感を演じていた。なんか格好を相まってゆるキャラみたいなんだけど。相変わらず色々とちっちゃいなぁ…。


「むぅ…いま変なこと考えた?」

「いえ、とんでもございません」


 どうやら感は鋭いらしい…。なんで敬語って呆れられながらも話を進めようとしてくれた。いやーちょろくて助かるなぁ。


「はぁ〜私達はお助け部に入ったの」

「お助け部?」


 お助け部ってなんだ?うーん…あれか、部活動とかに人が足りなかったらお助けしますよ〜とか、恋の悩みいつでも解決します!とか町内清掃みたいなボランティア的なことやるんかな?もっと言うと…ラノベにありがちなやつ?


「まぁ、名前から察するだろうけどボランティア的な事をする部活動だよ。いい事するのって気持ちいいからね!」

「わたくしボランティアやってみたいと思っていたんです」

「私も…」


 予想通りボランティア部ですね。ボランティアしたいって話は三番目以外嘘じゃなさそうだな。この世界の子って、男が絡まなければ基本的にいい子だもんね。男が絡んだらまぁやばいけど。あれ、…そういえば俺部活動誘われてないなぁ…傷ついてないよ、傷ついてないけどさらっと聞いてみよっかな。


「…てかさ…なんで俺のこと誘ってくれないの!?いつメンじゃん!なんで俺はぶられてんの!?主人公だよ!」

「主人公ってなに!メタいこと言うのやめてくれる!?そもそもハブってないし、男子で部活入る人なんていないで…まって、まさか入る気なの?」


 あ、そうじゃん。基本的にこの世界の男子高校生は部活に入ってないんだった。だからわざわざ校長が直でお願いしにきてんたんだわ。1人で勘違いして1人で傷ついてたわ…いや傷ついてないけどね。


「入る気だけど?」

「「「どこに!」」ですか?」

「…それを今日見に行くんだけど…」


 勢いやばいよ…けど、みんなそれほどまで俺と一緒に部活をしたがってるなんて…。愛されてるなぁ。まだ入学してから日は浅いけど良い友達ができたもんだ…これが友情か。


*性欲です


 そんなこんなで話をしていると結構時間が経ってた。このまま話してると見学する時間が無くなってまう…そろそろ行くか。


「そろそろ時間だし見にいってくるわ〜」

「私達の部活も絶対見にきてよ~」


 最後に行くよと、雪達に別れを告げて部活見学に行く。部活動紹介のパンフレットを見ると色々な部活情報がびっしりと書かれていた。へぇ〜部活結構あるんだな…まず外部から見に行こ。



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「テニス部めっちゃええな…」


 外部一つ目はテニス部に来た。やっぱり前世とはあまり変わらないような感じだ…男子がいないって事を除いてね。テニスのユニフォームを着ていて、スコートから除く生足が眩しい!元気で日焼け跡がある子もええなぁ…。



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「ここが、ソフトボール…ヒィッ」


 ビュンッ


 やばいよ、女子高校生が投げる球の速度じゃないよ…。いくらなんでも早過ぎないかと思ってパンフレットに目を落とすと、ソフト部の説明欄に昨年度全国一位って書いてあった。くっそ強豪校じゃん…そりゃ早いわ。



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「おぉ〜揺れとる揺れとる」


 そんなおじさんみたいなことを言いながら見ていたのは陸上部だ。陸部女子って胸小さいイメージがあったけど、結構でかい子たくさんいるなぁ…この世界だからかな?あ、ユニフォーム短かくていいね!



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「お、これで外部全部か〜じゃあ中部は…水泳部から見よっかな」


 敷地内をぐるぐるとして、外部全部を見終わった。15くらいあったのかな?数えてないから性格な数はわからないけど、見て回るのも目の保養になって意外と楽しかったな。さて、中にいこー。



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 バシャバシャッ


「ほほーんこれはいいなぁ…」


 水泳部1番いいかも。だってさ現役女子高生の競泳水着を合法的に毎日見れるってやばくない?しかも結構人数いるから選り取り見取りだし…なんか、水着の面積ちっちゃいような気がするし。こんなもんだっけか?いや、ちょっと溢れてない?



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「粗茶ですがどうぞ」

「お構いなく」


 ズズッ…ふぁ〜落ち着く〜。


 中部の部活も殆ど見終わって残り一件を残すだけとなりました。そのため、最後の一つ手前に茶道部に寄ってお茶をいただいています。実は私お茶が好きであります故、この場所を結構気に入っています。


「お茶美味しかったです」


 そう言うとにっこりと笑顔でお辞儀をして、送り出してくれた。鼻腔に残るお茶の渋めの匂いもあってすごく和って感じたな。自宅以外のこの世界で1番落ち着けたかも。また遊びにいこ〜。



—————————



「ここがお助け部かぁ〜。なんか、部室っていうより空き教室って感じだな。看板手書きだし」


 ここにあの三人が入ってるんか…ちょっと楽しみだけど不安だなぁ。雪あたりが暴れてないかな?


「「じゃんけんっぽい!」」


 …あれ、じゃんけんしてない?部活だよね?ボランティアはどこいったの?ほんとさ…この二名の声聞き覚えあるし…。まったく、何してんだか。呆れながらも扉を開けるとそこには下着姿の城ヶ崎さんがいた。


「…いや、なんで!」







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