危険な休日





 今日はこの世界に来てから初めての休みの日だ。ついに休みだよ…せっかくだから楽しい事をしたいな。適当に身だしなみを整えて部屋を出る。そしてスマホの時刻を確認する…あれ、13時じゃん。俺、寝すぎじゃ無い?せっかくの休みもう半日終わってるじゃん。少し勿体無い気分になりながらリビングに行ってみると、パスタと置き手紙が置いてあった。


『シュウちゃんへ。今日は色々なところに買い物に行く用事と、職場に少し顔を出さなきゃになりました。土曜はいつもお隣の人が来て夜ご飯を6時くらいに一緒に食べていたんだけど、今日は少し遅くなっちゃいそうです。お隣さんはいつも3時くらいに来てくれて色々と手伝ってくれるので、今日もそのくらいに来てくれると思います。なので、もし来たら鍵を開けて少しだけ一緒にいて欲しいです。すごく上品ないい子なので、シュウちゃんとならきっとすぐ打ち明けられると思います。P.S寝顔可愛いかったよ!』


 いや、部屋来てたんかい!起こしてくれてもよかったのに…。それにしてもお隣さんとご飯か…隣って右と左あるよね。どっちかによってだいぶ話変わって来るんだけど…。


 ピンポーン


 とりあえずパスタを食べて片付けをしていたらチャイムが鳴った。ついに、お隣さんが来たっぽい。あれ、まだ2時なんだけど…あんま片付けられてないよ?どんな人だろうかとモニターを覗いてみると、案の定いつぞやのドM美少女…東雲さんがいた。まぁ、そうよね。ちょっとモニターで観察してよっかな、面白い独り言とか言うかもしれないし。


「…百合さんは今日は6時過ぎまで帰ってこない。つまり、はぁはぁ…ご主人様と2人っきり〜。あんなことやこんな事をしてもらえるよぉ…ぐふふふ」


 恍惚とした表情で悪い笑い声を漏らしていた。ほんとに言ってるとは思わないじゃん…何されるか分からないから入れたくねぇ〜。つか、2人っきりってバレてるじゃん…あれか、百合お姉さんが連絡を入れたんか。百合お姉さんもしかしてさ、こいつの本性気づいてないのかな?…いや〜流石に…ありそうだな。あの人めちゃくちゃ天然だし。はぁ、百合お姉さんに頼まれてるからなぁ…仕方なしに入れてやるか、外に出しっぱってのも可哀想だし。いや、こいつの場合喜びそうだな…。


*実は百合と桜は割と中良くて結構連絡取り合っています


「今日はどうしようかな、踏んでもらったり、ご主人様の椅子になったりしたいなぁ…。あえて生意気な態度をとって…」

「…久しぶり東雲さん」

「コホンッお久しぶりですご主人様」


 …コホンてお前、それは無理があるぞ…。


「百合さんから聞いてると思いますが、今日ご飯を食べに来ました。実は、毎週土曜日に結構百合さんとご飯を食べてるんですよ」

「なんかそうらしいね」

「今日はご主人様も参加すると聞いたので、お手伝いをしたくて早めに来ちゃいましたっ」


 さっきぐふふとか言ってたけど…まぁいいよ。手伝ってくれるのは本当だろうし、何より断るって選択肢取れないからね。


「にしても少し早くない?今日は6時過ぎるって話だけど…まだ2時だよ?」

「うふふ…ご主人様ならそういうと思いまして、私ゲームを持ってきました!」


 おお、東雲さんがまともな思考をしている。ゲームして時間潰そうよって話ね。てっきり数時間ご主人様の椅子にならせてください、とか直接言ってくると思ってたわ。普通にありがたいわ、俺の部屋あんま面白いゲームなかったから。


「そういう事なら入っていいよ」

「はい、失礼します」


 とりあえず家入れますか。べ、べつにゲーム釣られたってわけじゃ無いんだからね!


「それで、何のゲームを持ってきてくれたの?」

「それはこれです!」


 そう言ってゲーム機とカセットを取り出した。たくさんのキャラクターがパッケージに映っている。これはあの大手ゲーム会社の代表作で、現在大ヒットしている名作の格ゲー!


「フラッシュシスターズか!え、めっちゃいいじゃん。ちょうどやりたいなって思ってたんだよね!」


 このゲーム前世にもあってめちゃくちゃガチでやってたのよ!ざっくりと説明すると、いろんな会社のいろんなキャラクターがいて、キャラクターを選んで一対一で戦うシンプルな格ゲーだ。ちなみにストーリーモードとか乱闘モードとかもあるよ!


「それはよかったです。けど、普通にやるのは面白くありませんよね?」

「つまり…?」

「勝った方が負けた方に一つ命令できるとかどうでしょう?」


 メガネをぐいっとするジェスチャーでその提案をしてきた…メガネつけてないけど。命令権を争って格ゲーで勝負するってことね…いいじゃん。つまり、賭けってことね…そういうの燃えてくるね!…燃えてくるけど、東雲さんに負けたら何言ってくるか分からんな。まぁ、どうせ碌なことは言ってこないだろうから負けたくないな。


「いいよ、それでやろ」

「流石ご主人様様です!乗ってくれると思ってました!」


 やべぇ…俺このゲーム地元一うまかったからまじで負ける気がしねえな…!何命令しよっかなぁ〜。


「さて、じゃあやりますか。あ、ちなみに私…このゲーム地元一うまいのでよろしくお願いしますね」


 ふ、つまりこいつもなかなかやるということか…。いいじゃ無いか、弱すぎて話にならないより接戦の方が面白い。


「かかってこい!」









「ねえぇぇ〜ご主人様〜もう一回、もう一回だけやりましょうよぉぉ〜」

「えぇいっ離れろ!腰に抱きつくんじゃ無い!…どさくさに紛れてどこ触ってんだよ!」

「お願いしますぅ〜!負けたままじゃ私も引き下がれないですよぉ〜」

「うるさいって…てか、お前ドMのくせにゲームは負けず嫌いなんかよ!めんどくさい性格してんな!」


 ゲームをプレイしだした初戦は、めっちゃくちゃいい勝負をしてた。本人が言ってた通り本当に東雲さんはゲームがうまくて負けるかと思ったけど、一戦目はギリギリの噛み合って勝てた。この段階だと正直俺の方がブランクもあって弱かったと思う。それで俺が命令権をゲットして楽しくなってきて『もう一戦やろう』って言ったんだよね。そっから連勝をし続けた。10連勝する頃には全盛期の感覚を取り戻していって、結構差をつけて勝てるようになってきていた。そして、40連勝した後に『これで終わりにしよ』って命令をしたらこうなった。


「お願いしますぅ〜」


 こいつ…ゲーマー過ぎるって!体をゆするのやめないんだけど…。ずっと東雲さんも暴れてるから服もだいぶ乱れ…て…いや上下真紅の下着丸見えやん。確かにね、今日の東雲さんの服装は、グレーのプリーツスカートに白いシャツを羽織ってるだけだ。スカートもそもそも太ももくらいまでしか無いし。シャツは長袖だけど対戦中に暑くなってきたのか、ボタンを三つくらいまで外してるから谷間見えてるし。この子結構太ももむっちりしてるな…ドMなゲーマータイプだから家にいることが多いんかな?太ってるわけじゃ無いし、あくまで健康的なムチムチとした肉付きで…まったくけしからんですなぁ…。


「お願いします!あと一戦、一戦だけ!」

「はぁ〜分かったよ…。その代わり、負けたらすごい事を命令するからな」

「ゴクリッ…す、すごい事?」


 生唾を飲み込んで期待をするような目でこっちをみてくる。…あれか、すごいことって言っても喜ぶだけか…。でも、いい事を思いついたから勝ったらそれ命令しよ、それでウィンウィンだね。


「では、やりましょう!」

「これ、マジでラストだからね」








「…ご主人様ぁ〜」


 一戦目を思い出すかのような白熱した試合になった。勝ち方すら最初の試合のように最後の大事な読み合いで俺の勝ちが決まった。そして、捨てられた子猫のような目でこっち見たあと喚き出した。ラストって言ったじゃん…子供かよ!慰めないとずっと騒ぎそう…。


「はぁ…すごいことしてやる機嫌直せよ」

「…ん〜!」


 声にならない叫びをあげながら、嬉しさと悔しさ、期待に情熱を孕んだ瞳でこっちを見つめてくる。いやさ、どっちかの感情にしようよ…。


「じゃあ俺の命令は…」

「…な、何を私にさせるんですか…?」


 めっちゃウキウキになってきてるじゃん…さっきまでの悔しさの滲んだ顔はどこいったんですかね…。どうやら興奮が勝ったみたいです。


「自分のスカートの端を摘んで、そのまま上にたくしあげて」


 一回はやってみたかったこのシチュエーション!東雲さんは今日ちょうど良さそうな服着てるし、前のアレでわかったけど羞恥心は全然人並みにあるんだよね。だから、ドMに辱めを受けさせて、俺は欲望を満たしてウィンウィンだ。


「…ご、ご主人様に逆らうと私の家族の命が危ないから従うしか…くっそんな事をして私身体を好きにしようとも、決して心までは奪えない!」


 …なんか、勝手に設定増やしてるし、役に入りきっててめっちゃ楽しそうなんだけど。息荒過ぎでしょ…興奮し過ぎだって。


「…くっうぅぅ〜」


 スルスルと少しずつたくしあげていく。きっと本当に恥ずかしいんだろう、顔を赤らめながらはぁはぁと忙しく呼吸をしている。けど、やっぱり表情に喜色が溢れ出ている。どこまでいっても真正のドMだった。たくしあげられるスカートによってむちむちな太ももがあらわになってきた。


「おぉ〜」


 感嘆の声をあげて思わず見入ってしまうほど綺麗でむちむちな太ももだった。この太ももに挟まれて埋まりたいな…そして、挟まれて男たちの楽園へと顔を突っ込んでスーハーしたい。やっぱりこの子性格がアレなだけで、身体と顔だけ見たらどストライクですわ。…自分のでいうのもアレだけどだいぶクズ発言よね。


「きゃあっ…!」


 そう思ってたら体が勝手に動いて、魅惑の太ももへと突っ込んでしまっていた。ほっぺたを太ももに挟まれて、真紅のパンツに顔をつっこむ。あぁ〜やばい…最高。


「すうぅ〜はあぁ〜すうぅ〜はあぁ〜」

「んっ…あぁんっ。ご、ご主人様ぁ〜そんなとこ…あ、ダメですぅ〜」


 …やめてその声!なんか、いけない事やってるみたいになってるじゃん!いや、俺はいけないことやっているのか…?この世界なら…てか、東雲さん相手ならセーフっしょ!?


 ガチャっ


 ん、なにか聞こえてきたような…気のせいか。そう思って、スーハーしているとリビングの扉が開いた。…やべっ。


「ただい…ま…シュ、シュウちゃん…何をしているの…?」


 …保護者にこのヤバいシーンを見られてしまった…。この状況でかける言葉はなんかあるか?とりあえずスカートの中から顔を出して…。


「お、お帰りなさい」

「はふぅ…」


 辺な声をあげて倒れてしまった…俺、なんかまたやっちゃいまし…え、ふざけ過ぎだって?…いや、本当にすみません!


 百合お姉さんが起きた後、そんな事はしてなくて夢を見てたんじゃ無いかと誤魔化したとさ。





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