ほかほかやぁ…

 

 

 

 

 

「え、やっぱ男じゃん!かっこいい〜」

「やばーい!」

「うち初めて見た!」

「…さ、触っても良いのかな!?」

「何で言ったのよ…」

「え、好きな女性のタイプは?」

「えっちな女の子をどう思いますか!」

 

 うーん聖徳太子!でも…これが普通なんだよな、ちょっとハリウッドスターになったみたいで気分がいい。…流石に騒がしすぎるか。

 

「みみみなさん!お、おおおおおちんち、着いてください!」

 

 先生よまずあんたが落ち着け、焦りすぎて噛みまくってるよ。…ん、なんかやばいこと言いかけたか…?まあいっか。…さすがにガヤガヤしすぎて自己紹介どころじゃなくなってきた。あと、みんなが一斉にこっち押し寄せてきて圧がすごいんだけど、流石に倫理観はあるのか触りはしてこないけど近いって。…おい!誰か今けつ触ったろ!倫理観はどこいった!

 

「みんな〜!一旦静かにして席に戻ろ〜!あわわわぁ〜…」

「は、春奈ちゃーん!」

 

 そんな俺を見かねたのか、春奈ちゃんが大きな声を出してみんなを止めようとした、が人に飲まれて消えていってしまった。…いや君ちっちゃすぎるんだって。けどありがとう…君が作ったチャンス俺が繋いでみせ…いや、よく考えたら俺が悪いじゃん。これって完全なる自業自得よね…この話は一旦置いとこっか。

 

「すみませーん!一旦質問控えて席に座ってもらえませんかぁ!俺は皆さんのことをまだ知らないので、まずは皆さんのことを知ってからお話をしたいです!」

 

 やっぱ低めの男の声は通るのか今度は全員に聞こえたらしく、未練がましい表情をしながらも席へ戻っていってくれた。良かったぁ〜、まじで内心焦ってたから。初日でやらかして退学とか洒落にならんし。

 

「うぅ…」

 

 近くから呻き声が聞こえてきた…。その声のする方向を見ると春奈ちゃんがいた。戦場から戻ってきた春奈ちゃんは服装髪型ともにボロボロだった。

 

「春奈ちゃん…くそっ無茶しやがって…!大丈夫だ、すぐに助けを呼ぶ!だから、それまで耐えていてくれ…」

「いやいや、修斗くんのせいじゃん!春奈言ったよね!絶対パニックになるから言わないほうがいいって、学校生活が落ち着いてきてからの方がいいって!」

「…だって、言いたくなっちゃったんだもん。許してっテヘペロ」

 

 …自己紹介のインパクト負けたくなかったんだもん!

 

「…ふぅ〜〜〜、絶対に後で監禁するからね。覚えておいてよ」

「やっぱそれ、俺がいること分かってて言ってんじゃん!やめてよ〜仲良くしよ…」

 

 嗚呼神様、僕はまたやってしまったみたいです。…あれ、この世界に来て俺が襲われそうになってる原因って殆ど自業自得だったり…いや流石にな…。

 

 

 

 

 …はぁ〜やっと全員の自己紹介終わった…。流石に30人クラスとなると多いなぁ…前世もこんなもんだっけか?まあいっか、てかさ…やっぱり全員性癖言うのがこっちの世界の文化なのかよ!俺も乗ったけどさ、可愛い子が結構えぐいこと言ってたなぁ………正直ちょっと興奮しました。

 

「さて、残り時間10分あるので…修斗くんに質問して見たい人!」

「「「はい!!!!」」」

 

 全員一斉に手を上げやがった…恐ろしく速い挙手だ…!いやいや、何勝手に俺の質問タイム作ってんだよ!せめて俺に一言断ってくれよ!貴方に不満を持っています、そういった恨めしいような視線を先生に送っていると目が合った。

 

 キランッ

 

 …いや、何ウインクしてんの!?ナイスって意味じゃ無いから、一体どんな勘違いしてんの!急に頬を赤らめないでくれよ…はぁ、だめだこの先生あのドMと同じ匂いがする。

 

「じゃあ春奈さん!」

「はい!」

 

 あ、君も参加してるのね〜。とりあえず質問タイムはいいとして…君はさっきちょっと話してたやん、他の人に譲ろうと言う気持ちは無いんですかね…?もぅ何でもいっか…考えたら負けだよ。

 

「…はぁ〜あんまりひどく無い質問なら答えますよ」 

「よし、修斗くんの了承も得たので春奈さんどうぞ」

「分かりました!え〜っと…」

 

 果たして何を質問してくるのだろうか…。やっぱ俺イケメンだし、好きなタイプとか?それか前世同様趣味とか聞かれんのかな。大穴で好きな教科とかかな?ひどく無い質問なら何でもばっちこい!

 

「オナニーって週何回しますか!?」

「…ゲホッゲホッ…」

「私とかはもちろん毎日なんですけど、そもそも女性なら当然の営みだと思うんですけど。男性ってどのくらいするのかなって。保険とかで習うのは月一とかなんですけど、えっちそうな修斗くんはどのくらいにするのかなって気になってっ」

 

 その質問を選んだ春奈ちゃんは、キュルルンッという効果音が聞こえてきそうなほどニコニコとしていた。あざといなぁ!あと、それライン越えだろって!言ったじゃん予めに、あんまひどくなければ答えるって。

 

「…ノーコメントで」

「そんな…」

 

 さっきまで教室の雰囲気が最高潮だったのにノーコメントと言ったら、一瞬で空気が冷え切った。先生は人生が終わったみたいな顔をしていた。そんな知りたいんかよ!なんか俺がめっちゃ滑ったみたいになっとるし。おい、みんなやめろ…そんな無垢な瞳でこっちを見るなぁ…なんでそんな瞳ができるんだ。…俺本気で頼まれると断れないタチなんだよ…。

 

「…毎日です…」

「「「うおおおぉぉ!」」」

「春奈ちゃんないす!」

「心の友よ!」

「捗るよぉぉ〜」

「…んっ」

 

 くうぅっ殺せ〜〜〜!!めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!…でもちょっとまて、この羞恥プレイ結構好きかも…。責めてくれる人がもっとクールな女王様気質だったら嬉しいのに…目の前を見るとニッコニコなロリ…可愛いけどさ、俺は巨乳派なんだよ!!

 

「はい」

「はい、華恋さんどうぞ」

 

 まだ続くのか…いや、時間的にこれがラストっぽいな。手を上げた質問者の方を見ると、超絶お淑やかな銀髪のロングの女の子がピンと胸と腕を張っていた。…まって、過去一でタイプなんだけど。エルフみたいだし、なんかお嬢様感半端ない…。なんちゃって淑女と比べ物にならないくらいの品性が溢れ出てる。さっきの自己紹介はあんまりしっかり顔を見れなかったけど、よく見ると全パーツが黄金比で整っていて完璧だった。確か名前は…城ヶ崎華恋だっけ…。いやぁ美しい。

 

「では僭越ながら修斗様に質問させていただきます」

「は、はい!」

 

 やばい、胸がドキドキする…!いい匂いもするよぉ、今告白とかされたら秒でOKするって。な、何を聞かれるんだ…彼女いますかとかくるのか?

 

「…今履いているパンツを頂けませんか?」

 

 …んなこったろうと思ったわ!!なんかめちゃくちゃソワソワしてるし、ずっと目が下半身の一部捉えてんだもん!何なら目が一回も合ってないし、対面した瞬間ちょっと疑ったわ!本当にみんな欲望に忠実だな、俺のことをもっと見習えよ。

 

「…じゃあ城ヶ崎さんのもくれよ、等価交換だ」

 

 いや、俺も欲望に忠実すぎた!何してんの俺、等価交換じゃねえよ!確かに今日のおかずには困らなくなるけどさぁ!やってることクラスの人と変わらんやん!他の人のこと言えないよ…。あっほかほかやぁ…ありがと。穢れを知らないかのような純白の白…いいね。

 

 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る