概要
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093078387055933
雨を嫌う主人公の【L】は、雨に想いをよせる【K】と一緒に、ドナー(臓器提供者)が集められた集合施設【ドナーランド】を脱出する計画を企てる。
脱走の最中、森の中で雨を呼ぶ鳥【アカショウビン】と出会い、願いが叶うとされる秘境【天泣の丘】をともに目指す。
そこで待ち受ける、ふたりが見たものとは……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!無機質なアルファベット名前、雨、虹……それらを渡った先には
不吉なワードがたくさん押し寄せてきます。
運命を静かに受け入れているかのようだったK。
私という読者には、Kの誘いが、なにもかもの幸福の集約でした。LがKに選ばれた。それでもう報われた――そんな気がしたのです。
雨の降るガゼボにやってきたとき、アカショウビンも力尽き、KとLとは天泣の奇跡を待つことしか出来ませんでした。
終わりはどう受け取ってもいいように書かれている、と私は読みました。短いお話だからこそ、読者にゆだねられている部分はあると感じます。
わがままな私という読者は、ハッピーエンドも、バッドエンドも、どちらの読みも楽しもうとしています。 - ★★★ Excellent!!!八色目の虹 ― 2人がつかんだ奇跡の物語
雨が嫌いな少年と、雨に魅せられた少女。
同じ施設で育った二人の物語は、想像以上に深く、そして切実な世界へと読者を連れていきます。
本作の魅力は、まずその描写の美しさにあります。
雨粒が光を宿す瞬間、夕空に虹がかかる瞬間―― 一つひとつの情景が繊細に描かれ、読む人の心を揺さぶります。
ただ、彼らを取り巻く環境は決して穏やかではなく、逃れられない定めと恐怖がじわじわと迫ってきます。
その緊張感が、二人の無邪気さや笑顔をよりいっそう愛おしく際立たせているのです。
そして物語を通して大きな意味を持つのが「雨」です。
鬱陶しく不快なものとして始まりながら、やがて“祈り”や“絆”、そして“未来への…続きを読む - ★★★ Excellent!!!刹那さま入門作。夏鳥の到来、テーマは「雨」
この作者さまは「アイカノ」と「すずなり」が代表作です
しかしいきなり長編は敷居が高いとするなら、短編「雨の約束」は入門作。
スリリングな設定と、逃避行、死の圧力を愛で乗り越えてゆくストーリーラインは、アイカノを小さくして全年齢対象ファンタジーにした感じ
今作は6月の自主企画「雨」をテーマにした作品。
自主企画では「雨乞い」「晴耕雨読(=部屋に籠もる)」などの雨の書き方が多く出揃いました。
けれども雨の解釈に「渡り鳥」を選んだのは、見当たらなかった気がします
アカショウビンは6月頃に渡ってきて8月頃には去る梅雨の鳥。本作で初めて知りました
雨は一年中降るけど、アカショウビンがいることで水無…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絶望に閉ざされた世界から飛び立つ少年と少女を描いた美しいSF掌編
絶望的な施設から脱出を試みる少年Lと少女Kの物語。
残酷な運命に翻弄されながらも、ひそかな希望を胸に未来を目指す二人の姿に心を揺さぶられます。
閉ざされた世界で生きる子どもたちの葛藤や、明日への切実な願いが、
緊迫感あふれる展開と美しい文章で描かれ、一気に物語の世界へと引き込まれました。
「雨」というお題で書かれた掌編とのことで、
雨に相反する想いを抱くLとK、そして雨を呼ぶ鳥アカショウビンが物語の鍵を握ります。
幻想的な風景描写や、キャラクターたちの繊細な心理描写も魅力。
LとKの互いを思いやる気持ちだけでなく、動物に対する心優しいまなざしも、読者の感情に深く訴えかけるはず。
冒頭は…続きを読む