八色目の虹 ― 2人がつかんだ奇跡の物語
- ★★★ Excellent!!!
雨が嫌いな少年と、雨に魅せられた少女。
同じ施設で育った二人の物語は、想像以上に深く、そして切実な世界へと読者を連れていきます。
本作の魅力は、まずその描写の美しさにあります。
雨粒が光を宿す瞬間、夕空に虹がかかる瞬間―― 一つひとつの情景が繊細に描かれ、読む人の心を揺さぶります。
ただ、彼らを取り巻く環境は決して穏やかではなく、逃れられない定めと恐怖がじわじわと迫ってきます。
その緊張感が、二人の無邪気さや笑顔をよりいっそう愛おしく際立たせているのです。
そして物語を通して大きな意味を持つのが「雨」です。
鬱陶しく不快なものとして始まりながら、やがて“祈り”や“絆”、そして“未来への希望”へと姿を変えていく。
切なさと美しさが胸に残り、奇跡を信じたくなる――そんな体験を与えてくれる物語です。