概要
祖父の遺稿、カラフトへの想いを綴った戦前戦後ノンフィクション物語
樺太に生まれ、樺太に育ち、そして樺太に骨を埋めるつもりでいた私にとって“樺太”という言葉は異様な程の懐かしさをもって響いてくる。
四十五万島民が堂々として開拓に努め、その一木一草にも、祖父の汗が染み込んでいるように思われて懐かしい。この島が今は自由に往き来することの出来ない、遠い異国の島として眺めなければならない。故郷を失ったこの悲しく寂しい心境は、故郷を失った者でなければ理解できないものと思う。
樺太がソ連の一方的な侵略によって占領されて以来、三十年の月日がたった。年月と共にその当時の記憶も薄れ、樺太についての記憶も風化されようとしている。然し歴史の流れの中に埋没された、北方の楽土建設のために努力した、樺太島民四十五万万人の人々の生活のあったことは、忘れ去られてはならない事だと思う。太
四十五万島民が堂々として開拓に努め、その一木一草にも、祖父の汗が染み込んでいるように思われて懐かしい。この島が今は自由に往き来することの出来ない、遠い異国の島として眺めなければならない。故郷を失ったこの悲しく寂しい心境は、故郷を失った者でなければ理解できないものと思う。
樺太がソ連の一方的な侵略によって占領されて以来、三十年の月日がたった。年月と共にその当時の記憶も薄れ、樺太についての記憶も風化されようとしている。然し歴史の流れの中に埋没された、北方の楽土建設のために努力した、樺太島民四十五万万人の人々の生活のあったことは、忘れ去られてはならない事だと思う。太
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