キック・ザ・ドラゴニュート　～戦傷で両脚の自由を失った俺が征服者の竜人を強化外骨格の全力で蹴り飛ばすまで～

　人類は、竜人との戦争に敗北した。
　以来――世界は竜人の支配下にある。

　元兵士の俺は、戦時中に負った傷が元で車椅子生活を余儀なくされていた。

　同居人の名を、ククという。
　俺の暮らしをサポートしてくれるメイドだ。

　ククは、戦時中の人型兵器“竜牙兵”を転用したアンドロイドだった。
　戦後の物資不足のおり、よくある話だ。

　兵器という消耗品だった竜牙兵の寿命は、そもそもが短い。
　元竜牙兵のククも、活動限界の時が近付いていた。

　ひとつ、そんな彼女の寿命を延ばす手段がある。

　闘技大会〈ドラゴンゲート〉。
　戦後復興を後押しするため、竜人が主宰する一大イベントだ。
　誰でも参加することができて、相手を倒すためなら何でもあり。
　ルール無用のバトルロイヤルで勝ち抜けば、竜人の高…続きを読む