第5話 美少女、義兄のバスタイムに割り込む。
キーンコーンカーンコーン
学校のチャイムが鳴ると、アタシは大急ぎで教室を出る。
おにぃと一緒に帰るためだ。
おにぃは、学校が終わると速攻に帰るから、アタシも猛ダッシュだ。
アタシは速攻で上履きからローファーに履き替えると、おにぃの下駄箱で待ち伏せをする。
…………
……………………
…………………………………………
あれ?? おにぃがなかなか現れない。
どうしたんだろう? 心配になってくる。
「あら? リコちゃん、偶然ね」
おにぃは、泥棒ネコの
アタシは顔をひきつらせながら質問をする。
「あ、
「ん。今日は休み。グラウンドサッカー部が使う日だからさ、弱小クラブは辛いよねー」
そう言うと、
「さ、帰りましょ。
「え? あ、うん……」
「あ、アタシも一緒に帰る!!」
アタシは、
泥棒ネコなんかには絶対に! 絶対に!! おにぃを渡さないんだから!!!
「
「うーん、とりあえずキスはとっくに済ませたよ」
「なん……ですって?」
付き合ったばかりだろうし、まだまだ進展なんかないだろう。そうタカをくくっての質問をだったのに、とんでもない答えがぶっ込まれてきた。
「それだけじゃないわよ。お風呂も一緒に入浴済みなんだから♪」
ガーン!! 頭の中で不協和音が響き渡る。
い、いつの間に!?
そこまで進んでいたなんて。
「
「あら、でもファーストキスなのは事実でしょ?」
おにぃと
・
・
・
「ふぅ、食べた、食べた。たまにはウーバーイーツも悪くないな」
「うん……」
おにぃはアタシの体調を気遣って、晩御飯は宅配にすることになった。
こーゆーとこ、おにぃはとってもスマート。好き! 好き!! 好き!!!
「よーし、そんじゃ、食事も済んだし風呂にするか」
(キタ!!)
おにぃはバスルームに向かうのを確認すると、アタシは、大きく深呼吸をする。
脈拍が高まってくるのがわかる。
アタシは、おにぃのあとをつけていくと、脱衣所の前で聞く耳を立てる。
そうして、おにぃがお風呂に入ったのを確認すると、そぉっと脱衣所の引き戸を開けた。
アタシは洗濯機からおにぃの脱ぎたてのインナーシャツを拾い上げると、顔をつけて思いっっっっっっっきり息を吸い込む。アタシの日課だ。
!! この匂いは!! おにぃの匂いの中に、ほんの少しだけメスの匂いが混じっている。泥棒ネコの匂いだ!!
−それだけじゃないわよ。お風呂も一緒に入浴済みよ♪−
突然、いましい泥棒ネコのは破廉恥な声が脳内再生される。
負けてられない! アタシもおにぃと一緒にお風呂に入るんだ!!
アタシは、もこもこピンクの部屋着をぬぐと、つづけざまに白のインナーをぬぎさって、洗面台の前に立つ。
胸の大きさは負けてるかもしれないけれど、アタシだってスタイルには自信がある。当たってくだけろだ!!
アタシは勢いのままブラとショーツを脱ぎ去ると、バスルームのドアを開けた。
「おにぃ、背中ながしてあげるね❤︎」
■次回予告
次回は、
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