第15話 美少女、義兄の幼馴染一家に質問攻めにあう。

 アタシは、トリフルホックのブラの中に隠されていた、茜子あかねこセンパイのたわわな果実にただただ釘付けになっていた。


「う、うらやましいぃ……」


 し、しまった。あまりの光景にホンネがだだもれてしまった。


「そんなことないよ。めっちゃ肩がこるし。あたしはリコちゃんのスタイルがうらやましいよ。お肌白いし、スベスベだし」


 そう言いながら、茜子あかねこセンパイはショーツを脱いで、余裕しゃくしゃくとバスルームへと移動する。


 ぐぎぎぎぎぃ。


 アタシはあまりの悔しさに、歯噛みしながらショーツをぬぐと、茜子あかねこセンパイにつづいた。


 お互い身体を洗って、ふたりで湯船に入る。

 湯船は水位をまして、あふれたお湯が流れていくなか、アタシはまたもやとんでもない光景を目の当たりにした。


「おっぱいが……浮いている……ですって?」


 最初は目の錯覚かとおもったけれど、茜子あかねこセンパイのおっぱいが、お湯の中で、夏祭りの水風船みたいにたゆたっている。


「そ。おっぱいって浮くんだよね。知らなかった? リコちゃん」


 そんなこと知ってるわけがない!!

 よせてよせてよせてよせてよせてようやくCカップを作り出しているアタシのおっぱいは、浮力はおろか重力だってほとんど感じたことがない!!


 アタシは絶望的な敗北感を感じながら湯船をあとにする。

 でもって、茜子あかねこセンパイのパパが見張ってくれて、いい感じに煮込まれた肉じゃがをダイニングテーブルで食べながら、茜子あかねこセンパイのパパママからの質面攻めにあう。


「リコちゃんはいつまでルーマニアにいたの?」

「中学を卒業するまでです」

「あら。あら。あら。そうなの? 日本語上手ねぇ」

「死んだパパが日本人なんです。それにパパがなくなる8歳までは、東京に住んでいたから」

「なるほど、なるほど。流斗りゅうと君のお母さんが亡くなった時期と一緒だね」

「あら。あら。あら。苦労なさったのね」

「ところで、流斗りゅうと君は元気にしてるかい?」

「はい♥ おにぃはとっても優しくて、もう最高のお兄ちゃんです。洗濯とか、お掃除とか、家事初心者のアタシにも、手取り足取り教えてくれました♥」

「まあ。まぁ。まぁ。今でも変わらず、とっても優しいのね」

「それに、とっても頼もしいです。ゴキブリが出たときなんか「バシっ!」って一発で倒してくれました。原宿で知らない人から名刺を渡されたときも、毅然な態度で断ってくれました」

「そうかそうか。流斗りゅうと君は、たくましく育ったか。見ての通り茜子あかねこはおてんば娘でね。小学生の頃はよく喧嘩して、流斗りゅうと君を泣かせていたからねぇ」

「ちょ! お父さん、あたしの事は別にいいでしょ」


 茜子あかねこセンパイが口を尖らせる。


「それに、さっきからずっとリコちゃんを質問攻めにして、リコちゃんが疲れちゃうでしょ? ねぇ? リコちゃん」

「全然大丈夫です。おにぃのことが色々聞けてアタシも嬉しいです」

「そうか、そうか。流斗りゅうと君は、子どもの頃からスポーツ万能でね。リトルリーグではエースだったんだよ。茜子あかねことバッテリーを組んで」

「そうそう。ふたりして毎日泥だらけになって帰ってきて。懐かしいわねぇ」


 ・

 ・

 ・


 そのあとも、3人で、夜遅くまでたっぷりおしゃべりした。

 茜子あかねこセンパイのパパとママもとってもいいひと。もちろん茜子あかねこセンパイも。


 おにぃが優しい人に育ったのは、茜子あかねこセンパイ家族の影響が大きんだろうなぁ。

 仕事が忙しいママの代わりに、身の回りの世話をしてくれるお手伝いさんと過ごすばかりで、家での会話なんてほとんどなかったアタシの家とは大違いだ。


 アタシは、恵まれた環境で育ったおにぃと茜子あかねこセンパイが、心底うらやましくなった。


■次回予告

 次回、リコが茜子あかねこセンパイにずっと気になっていることを質問!?

茜子あかねこセンパイって、本当におにぃのことが好きなの?」


 ……お楽しみに!!


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