第16話 美少女、義兄の幼馴染の写真立てを見る。

 アタシは、晩ごはんを食べながら、たっぷりと茜子あかねこセンパイのパパママとおしゃべりをしたあと、食器を洗って茜子あかねこセンパイの部屋がある3回への階段をのぼる。


「リコちゃんごめんねー。お父さんとお母さんの質問攻め。それに、おきゃくさんに洗い物までさせちゃって」

「そんなことないですよ。茜子あかねこセンパイのパパママとお話するの、めっちゃ楽しかったです」

「あはは、お世辞はいーよ」


 お世辞じゃない。心から思ったことを言っている。

 アタシは、いままでほとんど味わったことのない、一家だんらんを本当に楽しんだんだ。


「そんじゃ、もう遅いし、ねちゃいますか」


 茜子あかねこセンパイが部屋のドアを開けて照明をつける。

 白でまとめた、とってもセンスがいい部屋だ。ベッドの横には布団が敷かれてある。


「リコちゃんは好きな方に寝ちゃってよ」

「じゃあ、こっちで」


 アタシはベッドの横の布団に腰掛ける。と、机に立てかけてあった写真立てと目があった。

 写真立てには、3人の子供が仲良く映っている。

 

 ふたりはすぐわかった。おにぃと茜子あかねこセンパイだ。


「わぁ! おにぃ!! カワイイ!!」


 思わず黄色い声をあげると、茜子あかねこセンパイが、


「小学校5年の春休みの時の写真だよ」


 と、教えてくれる。

 小学5年生? ってことは、おにぃがオバケが怖くてひとりでお風呂に入れない頃だ!

 こんなにキャワユイおにぃとお風呂に入っていただなんて、茜子あかねこセンパイが恨めしい!!

 アタシは、おにぃと肩を組んでいる、男の子にしか見えない小学5年生のころの茜子あかねこセンパイに嫉妬をおぼえつつ、質問をする。


「この、後ろにいる黒髪の女の子は?」

「その子は、近所に住んでた、一個年上のこよりちゃん。流斗りゅうとの初恋の女の子だよ」

「ええ!?」


 茜子あかねこセンパイの発言に、アタシは「こよりちゃん」って呼ばれた女の子を喰いいるように見る。

 お人形のようなキレイな顔に腰まである艷やかな黒髪。そして、そして、小学6年生の割にはずいぶんと立派なモノをお持ちだ。


 おにぃ……この頃から巨乳好きなんだ。


「この、こよりちゃんって人、今はどうしているんですか?」

「うーん。遠くに引っ越しちゃった……と言っておく。この写真は、引っ越しの直前に撮ったものだよ」

「?」


 なんだか歯切れの悪い、茜子あかねこセンパイの言葉がちょっときになるけれど、今はそれどころじゃない!


「おにぃは、こよりさんに告白したんですか!?」

「……さぁ、どうだろ? あたしには解んないなー。でも、両想いだったのは確かだよ。あたしなんかが入り込む隙間もないくらいの相思相愛だったよ」


 アタシは、なんだかずっと歯切れの悪い茜子あかねこセンパイの言葉に違和感をいだきつつ、ひとつだけ確信をした質問をする。


茜子あかねこセンパイって、本当におにぃのことが好きなの?」


■次回予告

 次回、茜子あかねこセンパイと決着!?!?


 ……お楽しみに!!


――――――――――――――――――――――――――――


 最後までお読みいただきありがとうございます。

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