第8話 美少女、新たな性癖に目覚める。
*今回はリコ目線のお話です。
「いいも何も、ここはお風呂なんだ。湯船につかるのはとうぜんだろう?」
「はぁい♥」
返事をすると、おにぃはさっさと泡を流してザブンと湯船に入る。
そんなおにぃの姿を見ながら、アタシは、おにぃが洗ってくれなかった部分をやさしく洗ってシャワーで流す。
そして、湯船の前にたたずんだ。
トクン…………トクン…………トクン…………。
心臓の跳ね上がる音が聞こえる。緊張している証拠だ。
だって、今、おにぃに声をかけたら……アタシの大事なトコロを全部見られちゃうから。
トクン……トクン……トクン……トクン……。
恥ずかしい! 恥ずかしい!! せめて手で隠す??
ううん、ダメ! ここで恥ずかしがっていたら、
トクントクントクントクントクントクン……。
緊張がピークに達するなか、アタシは努めて努めて平静をよそおって、おにぃに声をかけた。
「もう! おにぃ、そんなに足をのばしたら、アタシが入れないじゃない!!」
おにぃは、アタシの声にふりむくと、大慌てで目をそらした。
でも、アタシはバッチリ見ちゃった。おにぃがアタシのイチバン大事なトコロを食い入るように見る瞬間を。
ゾクリ。
アタシは得も言われぬ快感にひたりながら、恥ずかしいふりをする。
「もう! 見たでしょ! アタシの大事なトコロ!!」
「み、みみみ、見てないよ!!」
「んふ♥ ほんとにぃ? 怪しいなぁ??」
ゾクゾクゾクゾクゾクゥ!
……全身に鳥肌がたつ。なんだろうこの快感。アタシ、おにぃを罵って気持ちよくなってる??
「い、いいから、早く風呂に入れよ!! 俺は顔をおおっておくから!!」
「はぁい♥」
真赤になって両手で顔を覆っているおにぃに、アタシは愛おしさを感じながら、ゆっくりと湯船に入る。
ザァー。
狭い湯船からお湯があふれて、アタシとおにぃの身体が密着をする。
アタシが湯船に入っても、おにぃはずっと目をつむったままだ。
ん? これってチャンスなんじゃ……。
アタシは目をつむりつづけているおにぃの口に、おもむろに自分のくちびるを重ねた。
「んむぅ?」
驚いた声をあげるおにぃを無視して、アタシはおにぃの口内に舌を滑り込ませてはげしくからませる。
「ぅん……うぅん」
アタシはおにぃとのキスをじっくりと堪能すると、ゆっくぅぅぅぅぅぅりと、くちびるを離した。
アタシとおにぃの唾液がからまって糸をひいている。愛し合ったあかしだ。
驚いてかたまっているおにぃに向かって、アタシはとびきりの笑顔をつくって小首をかしげた。
「んふ♪
アタシのファーストキス。おにぃのファーストキスを奪えなかったのはシャクだけど、これでアタシは
見ていなさい、泥棒ネコ。勝負はこれからなんだから!
■次回予告
色々と危険が危なかったお風呂回、ようやく終了です。
次回、過激化が進むリコに、
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