第9話 俺、彼女を演じてもらっている幼馴染に心配される。
*今回はおにぃのお話です。
朝、朝食を用意した俺は、さっきからずっとソワソワしている。
リコと合うのが気まずいからだ。
一緒に風呂場に入って、『
「んふ♪ おはよう、おにぃ♥」
「お、お、おおおはよう、リコ」
制服姿のリコは、笑顔でダイニングに表れると、いつもの朝と同じように紅茶を淹れて、半熟の目玉焼きをトーストに乗っけてかぶりついている。
昨日の出来事は、夢だったんじゃなかろうか……。
ドギマギしてる俺とは正反対に、リコはいたって普通に、もくもくと目玉焼きトーストを食べている。
「やーん、黄身が垂れて来ちゃった」
リコは、半熟目玉焼きの黄身にかぶりつくと、黄身まみれになったくちびるを舌でなめとる。
昨日、あの舌が俺の口の中に……。
――んふ♪
お風呂場でのリコの言葉が脳内再生される。今まで味わったことのない、濃厚で濃密なキス。
「?? おにぃ、どうしたの?」
「い、いや、リコの口に黄身がついてるから」
「え? どこどこ??」
俺はティッシュで、リコの口についた半熟目玉焼きの黄身をぬぐってやる。
「んふ♪ ありがとう、おにぃ♥」
昨日のあの出来事は、夢だったんじゃ……。
俺は自分の記憶を疑いながら、バターをぬって、もくもくとトーストにかじりついた。
・
・
・
「それじゃあ、今日も一緒に学校行こう♪」
制服姿のリコが俺の右腕にからみついてくる。リコと暮らすようになって一ヶ月、もはや日常と言って良いふたりそろっての登校だ。そして、
「オスオス! おはよーさん!!
これは、これは、今日もおにーちゃんとリコちゃんはラブラブですねぇ!」
曲がり角で、
「よぅ、
「んふ♪ おはようございます!
リコは、俺の腕に胸を押し付けながら、まるで勝ち誇ったように返事をかえし、
「ねぇ、
と、爆弾質問をぶち込んでくる。
「んーと、あれはいつだったかなぁ?」
「
と、
「あ、アタシ、今日、日直だったわ! 急がなきゃ!! じゃね、
そのまま、学校に向かって走り去ってしまった。
「あれあれぇ♪
リコは、走っりさっていく、
・
・
・
キーンコーンカーンコーン。
弁当を食べようとした俺の前に、
「
・
・
・
「もぐもぐ……なるほろなるほろ。偽装彼女の作戦は、完全にうらめったわけですな? もぐもぐ……」
俺は、屋上に場所をうつすと、弁当を食べながら、リコとお風呂に入ったこと、それから、くちびるを奪われてしまったことを
「しっかしアンタ、よくそっから先を我慢できたわね」
「危なかった。あと一歩間違えてたら貞操を奪われるトコだった……」
「うーん、まいったなぁ。リコちゃんって、ヤンデレの素質があったのかぁ。このままだと、優柔不断野郎の
「なんか、いい方法ないかな?」
「んー。性的な方面での偽装はリコちゃんのヤンデレ化を加速しちゃいそうだし……しゃーない、次なる策を繰り出しますか!!」
「次なる策……と、言いますと??」
「秘密! とりあえず今日、夜7時頃に
「え? あ、ああ」
路線変更って、なんだろう??
でもまあとりあえず
これ以上、リコがお色気方面に暴走をしないように。
■次回予告
おもわぬ弱点を突かれたリコはメンタル崩壊の大ピンチ!?!?
お楽しみに!!
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