第12話 俺、義妹と幼馴染の距離感にとまどう。
*今回は、おにぃの視点でおとどけいたします。
キーンコーンカーンコーン!
学校のチャイムが鳴る。クラスメイトがどやどやと帰り支度をはじめるなか、俺はスマホを確認する。
『午後からガッコ行くね♪』
ほっ。リコ、体調くなったんだ。良かった良かった。
「なるほど、なるほど。ってことは、あたしは、
「こ、こら、勝手にのぞくなよ!」
「ゴメンゴメン、
「おまえなぁ……」
俺と
「リコ、まだ来てないな」
「まぁ、ゆっくり家に帰ればいいっしょ。方向はおんなじなんだから」
俺たちは靴を履き替えると、ゆっくりとした足取りで校門に向かう。
「ところでさ、
「それが……『晩ごはんは、おにぃにサプライズしたいから!』って、頑なに拒否するんだよな」
「なるほどなるほど、それがリコちゃんの乙女のポリシーってわけね」
「なんだよそれ。でもまあ、決して料理の才能がないってわけじゃないんだよな。1カ月足らずで、お店レベルのフワフワオムレツを作れるようになったし。むしろ、俺なんかより全然料理がうまい気がする」
「なるほど、力の入れどころがバグってるというわけですな? さすがお兄ちゃん。大好きな妹ちゃんを、ようく観察しておりますねぇ」
「そ、そんなんじゃないよ!!」
俺が照れて叫んだときだった。背中から、さらに大きな声で呼び止められた。
「
俺と
リコは、
なんで? リコのやつ、
「了解了解! んじゃあリコちゃん、明日は休みだし、家泊まってく?」
警戒する俺をよそに、
「ええ! 良いんですか!!
リコがキラキラとした瞳で
心配になった俺は、
(……ひそひそ……
(……ひそひそ……モチロン。リコちゃんとは一度しっかりお話をしておきたかったよねぇ♪)
「お料理だけじゃなくて、小学生の時のことも色々おしえたげる。小五まで、オバケが怖くて、ひとりじゃお風呂に入れなかったこととか!!」
「ちょ! 何いってんだよ
いきなり暴露された俺の恥ずかしい過去を慌てて否定をしようとしたら、リコがキラキラとした瞳をして、
「おにぃのちっちゃい頃の話、色々聞きたいですぅ!!」
「決まりだね。じゃ、リコちゃん、家に帰ったらお泊りの準備をしてアタシん家においでよ」
「わかりました! うふふ♪
え? どういうこと??
俺は、腕を組んで歩いていくリコと
■次回予告
リコと
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