輪廻の正体

天国は現世で蓄積した魂の穢れを取り祓い、再び現生に転生するための「魂の再生システム」として存在する。天国は地球と並んで浮かぶ双子の天体で、地球とは逆方向に自転するため時間が戻り身体も若返る。天国では転生するための修行を行う「修行コース」か、天国に残り公務につく「公務員コース」を選択する。
郷原剛志は奥尻島で食堂「田中屋」を営む両親の一人息子として生まれるが、津波に襲われ両親は死亡、命は助かるが記憶を失う。その後、丸岡商事に入社し課長になるが、部下の吉田が「課長についていくのはしんどい」とメモを残して自殺。上司の証拠捏造でパワハラ課長の濡れ衣を着せられた郷原は、自分の不注意で電車のホームに転落し事故死。天国に入る途中で吉田と再会するが、吉田の自殺は郷原には何の関係もなかったことを知る。
吉田は…続きを読む