吸血鬼ユウキリスの誕生 その5

「ドカーン!」

 ブレイはそう言いながら、着地した。

「フゥー、すげえな。ほぼ無傷だ。」

 ブレイは上を見るとすぐに目の前の化け物に気づいた。細長い手足には鋭い爪が生えており、細長い首から歪な顔と牙が浮き出ていた。背中には不気味な背中がただただくっついていた。

「よお、化け物。いや、ジャバウォッキー。」

 ガシャガシャとジャバウォッキーを繋ぐ鎖が音を鳴らした。

「ぐぎゃあああああ!」

 怪物はブレイを襲おうとしたが、身動きが取れなかった。

「へっ。あの町長、とんでもないもの隠してたな。」

「グゴオオ!」

「…!」

(雷の咆哮⁉︎)

ブレイは即座にかわし、ジャバウォッキーの腹部に接近して、両手を置いた。

(本で読んだ。吸血鬼の間でも邪道と言われる、相手の命ごと肉体や能力を奪う技−魂の強奪ソウル・ドレイン)

「先制攻撃したのはあんただ。拘束された相手を攻撃するのは卑怯なんて思ってくれるなよ? 力をよこせええええええええ!」

「グゴオオ!」

 しばらくすると、その空間に残ったのは、保安官ただ一人だった。

「上がまだ騒がしいな。 …派手に屠るとするか。」


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