保安官と農民 その12

 やあ、僕の名前は岩本 蜜国。東武国の侍だ。意識を失って、ちょうど目が覚めたところだが、疲れて動けない。空飛ぶ吸血鬼を走って追いかけて、四人と戦闘は流石に無茶が過ぎた。おそらくユウキリスを倒すのは僕の代じゃない。

「我も預言を貰っている。我の破滅の預言をな。我を倒すのはお前みたいな人の子じゃない。我に破滅をもたらすのは角の生えた我以上の化け物だ!」

 そういえばそんなこと言っていたな。一体どういうことだ? 僕が授かった預言とは違う。彼の嘘か? それとも彼に預言を与えた者が偽りを? いや、僕の預言が間違っているのか? いや、どちらも嘘? それともどちらも真実か? 僕の子孫の腹からば角の生えた化け物が生まれるのか? あるいは…いや…もしも…子孫が…拾ったとしたら、そして愛を吹き込めば…岩本の…子と…家族と…なる。血の…繋がり? 関係ない…大事なのは…子にするかどうかだ。

 ……この預言は、墓まで持っていこう。運命は押し付けるものじゃない。成長と幸せの枷になる。知ったら僕みたいに焦るかもしれない。縛られずに自由に生きてほしい。

……あれ? 動ける。 皇帝がどうなったか見てくるか。

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