保安官と農民 その13

「ふぅ〜、なんとか勝てたぜ。」

 人の姿に戻ってユウキリスは宙光と由紀のいる場所に戻っていた。宙光の膝に乗ってる顔にユウキリスは思わず目を奪われてしまった。

「ちゃんと最後の言葉をかわせたか?」

 兄と妹は頷いたので、ユウキリスは話を続けた。

「なんて幸せな顔してやがる。とんでもねえべっぴんさんだ。天国で待っている旦那さんがうらやましいぜ。」

 ユウキリスは今回ばかりは誠実でいたいと願い、姿勢をただした。

「素晴らしい息子と素晴らしい娘を命がけで産み、この日まで育ててくれたこと、心より感謝致します。息子さんは今まで私が知った中で最も美しい人格者です。娘さんのことも、息子さんから聴いております。優しい娘さんですね。病気が取り除かれて、よかったです。今は安心して、お眠りください。ありがとうございました。」

 ユウキリスは宙光と由紀と目を合わせた。

「あんたらの村に戻って、お墓作るか? 我、手伝うぞ。」

こうして3人は安口村に戻り、宙の墓を作った。

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