吸血鬼ユウキリスの誕生 その4
「ぷはっ! ここは地獄か?」
目覚めたブレイは、辺りを見渡した。
「いや、保安庁の俺の部屋だ。俺
ブレイはそう言って、外を眺めた。
「俺の町が燃えてやがる。あんの野郎ども〜。」
「ブレイ保安官!」
女性の声に、ブレイは振り向いた。
「先生……。あんたが俺をここまで…礼を言うぜ。」
「 大勢死にました。町長も…。」
「そうか。」
ブレイはそう言いながら、自分の机の引き出しから、町長からもらった歪な道具を全て出した。
「先生、あんたは俺を町の英雄と神格化しているかもしれないが、はっきり言わせてもらうぜ。」
ブレイはそう言いながら、尻尾の毛を瓶の中の血で濡らして円を描いて、その中に十字を描いた。
「俺は貧困な町で生まれ育った。生き残るためには、盗みや喧嘩、殺しも躊躇なく行ったもんだ。強くなりたくて、力ある者何もかもに憧れていた。保安官を目指したのは、金も地位もねえ俺が手に入れられそうな権力や名声、力だったことだけだ。」
ブレイはそう言いながら、十字のそれぞれの先にりんご、酒に漬けられたパン、宝石と角を置いた。
「俺の心には正義はない。ただ合法的に振るえる暴力が快楽に近いのさ。」
そう言いながら、ブレイは袋に入っていた粉を自身にぶっかけて、魔法陣に入った。
「先生。これはわずかだが、俺の心の中でまだもがき泳いでいる善意から放たれる言葉だ。俺は今から吸血鬼になって奴らに復讐する。だがもしかすると、あんたの血欲しさに噛み殺しちゃうかもしれねえ。だから先生…」
保安官は優しく微笑んだ。
「この町からなるべく遠くに逃げて、幸せになってくれ。」
先生は深く頷き、すぐさまその場を去った。
「強え女だ。さて…」
ブレイは力を込めて、息を吸った。
「血よ、弱き己を奮い立たせ、無限の力を与えたまえ!」
魔力がブレイに降り注ぎ、体中の筋肉が奮い立ち、瞳は赤くなった。
「感じるぞ、溢れ出る力。だが同時にわかるこのままでは、あいつらには勝てねえ!」
ブレイはふとあることに気づいた。
「そうか、怪物は地下にいたのか…。」
ユウキリスは拳を地面に向けた。
「魔法も上がってるはずだ。
ブライは唱えると地面に底が見えない大きな穴ができた。
「イーハー! これが本当のフリーフォールだぜ!」
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