剪芽梨刑事シリーズ②・・・銘酒・六角
138億年から来た人間
事件1
「剪芽梨さん、あそこ。」
大阪府警主任刑事。
大学を卒業し、大阪府警察官採用試験にトップ合格。
東大法学部もいる中、見事キャリアの道を勝ち取った。
学業優秀、柔道では大学日本一にも輝いている。
正義感が強く、意志を決して曲げない。
しかし、それらすべてが裏目に出た。
組織の人間という警察の本分をはき違えることが多く、昇進試験の推薦枠を与えられていない。
結果、今の主任の地位に甘んじている。
管理側にとっては煙たい人間なのだ。
彼は今、一人の男の行動を監視していた。
事件は、3日前に起こった。
「今朝、赤城のマンションで、殺人事件が発生しました。被害者は、
テレビのニュースは、この事件をトップに据えた。
「えぇ、そんなぁ。約束したじゃない。連れて行ってくれるって。いいの?私を置いて奥さんとで。いいのよ、あのことバラしちゃおうかなぁ…」
「・・・。」
「何にも云えないわよね、あなたには。いいわ。その代わり、私に新しいマンション買ってちょうだい。都心の一等地のよぉ。お安いでしょ。何せあなたは、お・か・ね・も・ち。」
夢野いけみは、大学生活を謳歌していた。
何人もの男を手玉に取り、金をむしり取っていた。
彼女は普通の会社員の父親には、まじめな学生を装っていた。
大阪の副都心に高層マンションの最上階を借りている。
全ての資金は、パパ活だ。
「くそつ、あの
スマホをズボンの後ろポケットに入れた男は、いけみの電話に人目も憚らず大声で怒鳴りたくなった。
男は、いけみに弱みを握られていた・・・。
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