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大葉花が友達の野山福と出会ったのは初等部のときだった。
「ごきげんよう」と挨拶をする中で、二人は自然と友達になった。二人が友達になった理由はよくわからない。(二人とも思い出すことができなかった)二人はいつのまにか友達になっていた。たぶん距離がたまたま近かったのだと思う。あるいは二人はどこか似たところがあったのかもしれない。二人は自然と友達になり、そのまま一緒に初等部から中等部、高等部に進学した。
大きな安心できる門と檻に囲まれた穏やかな生活があった。見る人によっては温室。あるいは楽園とも呼べるような場所だった。でも花には違うように女学校が見えていた。女学校はあらゆるものを拒絶しているように思えた。私たちを守るために。それは間違いではないと思う。でも、……窮屈であることには変わりがなかった。
ここはでっかい鳥かごなんだ。
欅の生徒たちが誰でも一度は思うことを、花は思った。こんなことを思うのはもう何度目だろうと思った。
「花。すごいね。また成績一番なんだ」全校生徒の成績表を見ながら福は言った。
「別に嬉しくない」花は言った。(それは本当のことだった)
名門欅女学校の中で花の成績は飛び抜けてよかった。(全国でも上から何番目と言ったくらいよかった)その成績のおかげで花は問題児でありながら、退学処分になったりは(今のところ)してはいなかった。(結構ぎりぎりまでいったことはあったけど)
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