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 私は生意気なのかな?

 そんなことない。花は生意気なんかじゃない。みんなよりもずっと自分の心に素直なだけだよ。

 私は悪い子かな?

 そんなことない。花は悪くない。ちゃんとやってはいけないことをわかってる。ただみんなよりも好奇心が強いだけだよ。

 私はここにいてもいいのかな?

 いいに決まってるでしょ? 花。ここはあなたの家なんだから。花は私の子供なんだから。

 お母さん。私のこと嫌い?

 大好きだよ。花。

(その瞬間、花は泣いてしまった)


「福ちゃんの太ももすごく気持ちいい」

 だらしない顔をして花は言った。

「もう。変なこと言わないでよ。そんなこと言うと、もう膝枕してあげないよ」と言ってぺちっとおでこを叩かれた。

「痛い」

「痛くない」福はいう。

 二人は今、欅荘の自分たちの部屋の中にいる。本当は外でごろごろしたいのだけど、今は寒いので二人は部屋の中で我慢をしていた。

「私、将来は福ちゃんと結婚する」と花は言った。「そんなこと言ってると朝が怒るよ」福はいう。「朝は怒らないよ。絶対に怒らない」花は言う。「まあ、それはそうだけどさ」と福はいう。

 朝はいつも温厚で笑顔で怒ることがない。花は今まで一度も朝が怒ったところを見たことがなかったし、幼馴染の福でも朝が怒ったところを見たことがなかった。

「その代わりよく泣いていたけどね」と笑いながら福は言った。

「どうせ福ちゃんがいじめたんでしょ?」とごろんと福の太ももの上で顔を動かして花は言った。「いじめて……、ないよ。たぶん」と福は言った。(いじめてたんだな、と花は思った)

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