第20話 第四フェーズ



 雀がチュンチュン。

 寝たけど……あまり眠れなかった。


 そう! 自分はビビリだからな。


 いよいよ大詰めだ!


 ラッキーなことに、今日は仕事が休みだぜ。


 なんか、緊急の依頼も入ってたけど、検討するまでもなく、どうがんばってもできそうにもないスケジュールだったので、逆に、ためらうこと無くばっさりと断る。

 相手の方も、その自覚はおおありだったようで、すんなりと許してくれた。



 午前中は用事があったので……。



[2023年12月21日(木)11:00]頃



 修正作業開始



 16章、17章は、行為をしているわけではないが、ネタとして規約違反になる部分。


 だが、これが後々の重大な伏線になっているので、もう、どうしようか悩みまくりながら削除していく。

 というか、どこまで残せるのか全くわからない。

 タイトル自体がやばそうなんだが……すでに心身が疲弊しきっていて、もう、判断力というより、決断力が狂いだしている。


 後々の展開のつじつま合わせの労力と話の不自然さを考えると、タイトルはこのままでもいいような気がしてきた。

 たぶん、そんな気がする。


 タイトルは変更なしで、内容を削れるだけ削って、でも、削りすぎないよう、注意する。 


 目がしゅぱしゅぱしてきた……。

 ずらーっと並んだ章とエピソードの画面に目がクラクラしてくる。

 こういうのをゲシュタルト崩壊というのかもしれない。


 だんだん、自分がどこを修正しているのかわからなくなってくる。

 ぼちぼち集中力の限界が近づいてきているようだった。


 修正したページを再度、開いてしまったり、一話飛ばして修正してしまったりと無駄なアクションが多くなる。


 気づいたら、他のサイトを見たり、他のかたの作品を読んでいたり……それが無意識の逃避行動なので怖い。


 昼食を取り終える頃……。


 無の極地に達するというか、悟ってしまったとでもいうのだろうか……。


 とても静かな、淡々とした心境になっていた。


 そう……諦めと覚悟だ。


 ……と書けば、カッコいいが、ようはどうでもよくなってきた。それだけだ。


 正直なところ、がんばってやってみたが、これ以上の修正は無理だ。話が崩壊する。

 これ以上のことを求められたら、ラストにたどり着けない。


 非公開も覚悟しないといけないと。という、覚悟が固まった瞬間である。



 今、書いているラストと伏線の回収シーンを思い描きながら、ぽちぽち修正。


 修正しながら……カクヨムでの今後を考える。



 ムーン……のバリバリやってやりまくってます版は、ラストは伏線回収とからまってかなりの頻度でやりまくっている。

 だが、哀しいかな……行為の描写自体は文章力の限界でそれほどない。


 ただ、それを全部削るとなると……どうなってしまうのか、作者なのに全くわからない。


 ――そのときになってから考えるか――


 という、考えに到達した。


 これぞ、悟りの極地だろう。



 ……というのは、あくまでも冗談なのだが。


 考えられる終わり方といえば……



1)やばくなったらエタらせる(放置)


2)やばくなったら非公開(なかったことにする)


3)カクヨム版のエンドを別途用意する(自分の限界に挑戦)


4)削った状態で、アルファ……あたりに誘導する(そうしているBLを自分はみた!)



 1と2はよほどのことが無い限りないと……思いたい。


 2は運営から強制的に非公開される可能性もなくはない。

 そのときは、潔く負け……いや、事実を淡々と受け入れよう。

 決して、決して、アレは許されているのに、なんで、コレはだめなんだ――! とならないように気を引きしめたい。


 3は……どうだろうか? 現時点ではわからないが、たぶん、自分の性格上、エロ削除で作品が崩壊するのなら、別エンディングを用意するかもしれない。


 4は……利用規約に注意して……だな。



 そんなことを脳内であれやこれや考えながら、修正していく。


 修正というか、ひたすら、やばそうな単語がないか目を光らせる。



 同時に今回のことは(そうそう体験できないことだし、体験したくもないことだし)エッセイに書くぞ!

 と心に誓う。




[2023年12月21日(木)15:08]



 なんとか修正完了!

 ふう〜やりきった。

 24時間以内に対応できたぜ。

 今日、仕事が休みでよかった……。


 ばっさ、ばっさ削除したのに、なぜか、修正前が186,740 文字だったのが、188,818 文字に……。


 文字数が増えている?


 全話にフォロー等をお願いするメッセージを入れたからだ。

 80文字程度でも、144章に入れると、そこそこの文字数になるというわけだ。


 しかし……BLから、行為描写がなくなったら……ツマのない刺し身どころか、醤油のない刺し身といってもいいんじゃないだろうか……。と思う自分は濁りきった大人なんだろう。



 愛着のある作品とはいえ、こんな心理状態での読み直しは、けっこうキツイものがあった。


 もう二度とやりたくない。


 こんなコト書いていて信じられないかもしれないけど……たっぷり反省しました。


 なぜなら、ビビリだからだ!


 第四フェーズはぶっちゃけ、開き直りのフェーズであった。

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