概要
人は森の中に入るとたちまち迷ってしまう。
森の中を迷わず歩けるのは鳩と呼ばれる人々だけだった。
森にはいくつかの村が点在し、鳩は村同士の流通を担い人々の生活を支えてきた。
村の一つであるウラヤに住む少女ユミは鳩になるための試験「孵卵」を受けるべく森へ挑む。
孵卵の合格条件は森からウラヤへ帰ることであった。
2024年1月から12月末
毎週月曜日0:00更新予定
13話×4章 + 終章1話の全53話
きらきらうさぎ様(X : @popcorn_888m)にシーンイラストを描いていただく予定です。
5話 https://kakuyomu.jp/users/benzenringp/news/16817330669093960648
6話 https://kak
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!極めて隠喩的物語、かと思いましたが、これは……
鳩と呼ばれる能力を持った人間たち、通常であれば二度と戻ってこられない森、そして人々を縛る不可思議なルール……極めて隠喩的、ついつい深読みしたくなる要素盛沢山な物語です。
特に序盤は、それにより起因するどこか湿気った居心地の悪さや、真相を知りたいという好奇心がページをめくる推進力に化ける怪作です。
個人的には『新世界より』を思い出させる湿度や雰囲気で、特筆すべきものがあると感じました。
しかしながら、ただ雰囲気で押すのかと思えばそうではなく、物語の本質や主張は極めてシンプルで、ヒロインが男の子と結ばれたい、ただこれ一つです。
そんな彼女が不気味で暗い、怪しげな世界観をスパッと割って突…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生き方を制限された中で、懸命にもがく登場人物達。
森に支配されていると言っても過言ではない世界。
集落が深い森で分断されているせいで行き来が困難であり、大半の人間は狭いコミュニティで生活することを余儀なくされています。
森を唯一歩ける「鳩」と言う職業に就いた者も、自分が生まれた土地へ帰巣本能で導かれるだけなので、集落間を往復するには別の鳩の力が必要となります。
そんな中で、「一度通った道を必ず記憶する」という能力を持つ主人公・ユミ。
自由に集落間を移動できる規格外の能力を持つ彼女は、心を通わせた少年との幸せな未来を掴む為に奮闘します。
こちらの物語を拝読して、上京した頃の自分を思い出しました。
新潟の田舎で二十代後半まで暮…続きを読む - ★★★ Excellent!!!森への没入感が凄い。
語るととても長くなるので、第一章終了までのレビューになっちゃいます。
まず、このお話を読むこと、すなわち、森の中に入るに等しいです。
それほど文章から森の雰囲気が出ています。
ユミが「鳩」を目指す物語なのですが、それがまた予想できない展開が挟まります(鳩が何かは読めばすぐ分かります)。
ちょっとした理由で見知らぬ村にたどり着いて、怪しい人に別人と間違われたり、そこで特別な感情を抱く相手と出会ったり、ユミの試験官を勤める二人がアレコレ、ハラハラ展開や、出産に立ち会ったり……と、イベントがてんこ盛りです。
随分端折ったのですが、これでもまだ「序」のお話です。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!恐ろしい森の中で生きる人々の知恵と勇気と愛のカタチ
(キャッチコピーとは全然違う)世界観が非常に独特。
舞台は、普通の人が入ると必ず迷うという不思議な森。
その森では「鳩」と呼ばれる、帰巣本能を持つ者が森を行き来し、村の人々の生活を支えていた。主人公の13歳の少女・ユミは母を医者に連れて行くため、鳩になるべく「孵卵」という過酷な試験に挑む。
それは、眠らされている間に運ばれた場所から、自分の本能だけを頼りに村に帰りつく、というものだった。しかし、ユミは森の中でサバイバルをしながら快適な拠点を見つけてしまうわ、母親に虐待されていた男の子を救出(誘拐)するわで、なんと250日も過ぎてしまうという逞しさ。晴れて鳩になれたあとも彼女の周りでは様々…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この独特な世界観は誰も真似できない。
皆様がよく想像する異世界ファンタジーとは一線を画す作品です。
文章や物語の作りが非常に秀逸であり、自分は書店に並べられている本を読むつもりで拝読させてもらっています。
この作品を一言で説明することは自分では表現しきれません。
ユミという一人の少女の成長を追う物語ともいえますが、様々なキャラクター達を通して描かれているのは綺麗事などない厳しくも美しい「愛」
「鳩」というこの作品世界において稀有な能力を持つ存在と、それを縛る「縛め」に隠された謎。
これらすべてを蛇足感なく非常に高いレベルで纏められるのは凄まじい。
コメント数からも分かる通り、それだけ色んな楽しみ方が出来る作品です。 - ★★★ Excellent!!!愛によって突き動かされ、愛するために思考を巡らせ、愛されるために生きる
まず初めに言うとすれば、ただのイチャコラ小説ではありません。
無垢から始まった主人公は、恋人のために成長する。
そういった血生臭い努力の過程をみたい方に、ぜひお薦めしたいです。
また、情景が丁寧に作り込まれています。
まるで、登場人物の隣を歩いている気分になります。
そしてなにより、主人公の恋愛だけが全てではありません。
周りの人たちの事情も綺麗に書かれているのが、素晴らしいです。
もしかしたら、推しカップルが見つかるかもしれません。
『愛』という言葉を、様々な観点から見ている作品だと思いました。
ただ美しいだけではなく、殺意や憎悪も表現されています。
どこか現実味を帯びている作風…続きを読む