恐ろしい森の中で生きる人々の知恵と勇気と愛のカタチ
- ★★★ Excellent!!!
(キャッチコピーとは全然違う)世界観が非常に独特。
舞台は、普通の人が入ると必ず迷うという不思議な森。
その森では「鳩」と呼ばれる、帰巣本能を持つ者が森を行き来し、村の人々の生活を支えていた。主人公の13歳の少女・ユミは母を医者に連れて行くため、鳩になるべく「孵卵」という過酷な試験に挑む。
それは、眠らされている間に運ばれた場所から、自分の本能だけを頼りに村に帰りつく、というものだった。しかし、ユミは森の中でサバイバルをしながら快適な拠点を見つけてしまうわ、母親に虐待されていた男の子を救出(誘拐)するわで、なんと250日も過ぎてしまうという逞しさ。晴れて鳩になれたあとも彼女の周りでは様々な事件が起こる。
感想:ユミという小さな少女の知恵や勇気、葛藤などが丁寧に描かれていて、その周囲の森で生きる村人たちの息遣いまで感じられるほどの緻密な描写がすばらしい。
いろいろな形の愛が味わえる物語である。
オススメです🕊️🕊️🕊️