予想を超える青春もの+ハードボイルド+異種族バトルの面白さ

幼いころのケンカが原因で、今はことなかれ主義になっている大吉と快活で世話好きな幼馴染の春香は、ある日の学校へ行く途中で白河いなほという、道に迷って困っていた少女に出会う。

いなほは恥ずかしがりな性格で、春香と大吉と部活や自分たちの家のことなどをしゃべりながら、学校まで来ると、いなほは「やっと来れた……」といい、これから始まる学校生活のことをうれしそうに話ながら消えてしまった。
いなほは霊だったのだ。

大吉と春香は霊や妖が視える。

彼らが出会うのは関西弁をしゃべる吸血鬼や、それを追うイタリアの男やキョンシーなど、登場する人物が複雑な事情を抱えた曲者ばかりで、読み始めは青春ものかと思うと、実はハードボイルド群像劇という、読み応えのあるスケールの大きなストーリーは、予想を超えた新しい発見に満ちていて魅力的である。

オススメです☆☆☆



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