伊香保風　　〜古志加、婚姻の宴〜

ネタバレになるので詳細は書けませんが、とにかく、古志加の幸せなシーンが見れる素敵な短編となっております。

あらたまの恋　ぬばたまの夢　〜未玉之戀　烏玉乃夢〜
をラストまでお読みになった方には、是非ともこちらもお読みいただきたい。

待望の甘々を読むことができますよ！

　「あらたまの恋　ぬばたまの夢　〜未玉之戀　烏玉乃夢〜」の続編です。
　古志加《こじか》のファンなら、見逃せないですよね。
　だって彼女はついに今日、結婚するんですから。

　奈良時代、女でありながら衛士としてがんばってきた古志加《こじか》。
　古志加《こじか》をご存じないかたも、結婚式での健気で純な彼女の様子を見れば、心温まって応援したくなるはず。

　結婚式から、その夜まで、ウフフ♡　と見守ってくださいね。

この作者様の作品には、（多分）必ず冒頭に万葉集から引用した歌が示されます。
どれも物語にとってきちんと意味があるわけですが、本作は二話で完結しているせいか、その効果がとてもダイレクトに心に響きました。

三虎という男は一方の主人公と言える立ち位置で、何と言うか……がさつではないんですけれど、人間臭くて、ツンデレ……ではないか、時々小学生男子のような……うーん、いろんな側面が描かれているので一言で表現するのは難しいのです。
ただ、やる時はやる、男の中の男と言ってあげていいと思います。
そんな彼のひととなりと、古志加への思いが冒頭の、そして最後の台詞で十全に表現されていて、思わず唸ってしまいまし…続きを読む

いにしえ奈良の恋物語を描かせては、まさに独壇場。この筆者ならではの流麗かつ官能的な筆致をご堪能いただける、ゆかしいラブストーリーの傑作！