春の夜の淵で死にたい

　深夜のパーキングエリアで働く〈黒川夏生〉は、真面目さゆえにバイト先に馴染めずにいた。
　ある夜、夏生はPAのトイレで男遊びをしていた〈萩野竜胆〉に出くわす。
　竜胆から「一緒にドライバーの仕事をしないか」と誘われ、試しについていくことにしたものの、どうも積荷が怪しい。
　不思議な夜のトラック旅で、互いの傷と気持ちが次第に浮かび上がっていく。

糖度低めの幻想短編です。
ブロマンスや淡い恋のお好きな方に。
※軽いですが自傷表現がありますのでご注意ください。


■黒川夏生(23)
フリーター。くそ真面目なリストカッター。人目を避けて夜のパーキングエリアで仕事をしている。

■萩野竜胆(32)
トラックドライバー。男漁りが趣味の遊び人。人には言えないものを運んでいるらしい。