Ep016 ネット恋愛編 妻も娼婦も変わらない

私は私で旦那さんとの関係を修復しようと試みる。また旦那さんを誘ってみた。


今度は入ったことは入ったが私が昇り詰める前に旦那さんは先に達してしまった。いつも、もう少しのところで旦那さんが先に達している。今日もそうだった。


でも久しぶりだもの仕方ない。「あともう少しだったよ。次は頑張ってね。」と伝えると「今イっておかないとイケそうもないと思ったから」と旦那さんは答えた。


えっ?今何て言った?私がイクより自分がイク方が優先ってこと?今まで我慢出来ずに先に達しているのと思っていた。私はそう思って20年間耐えてきた。20年間!20年間!20年間も私は達しそうで達しないのを我慢してきた。


私は20年間一度も達したことなかった。旦那さんの一方的な快感のために夫婦の営みがあったのだ。私は達しなくても、夫婦の絆のため、夫婦であることを忘れないため、男と女として愛し合いたかったから、少なくとも月1回はするようにしてきた。


これでは妻も娼婦も変わらないな。そう思った。すごく自分が惨めだった。


それでも、まだ私は期待していた。日を改めて旦那さんに「長持ちする薬を買ってみる?」と提案してみた。旦那さんが以前に購入したいと言っていた薬だ。「うーん、じゃあ購入しておいて」と返事があった。「自分のことなのに何で自分で購入しないの?。」と「だって、よく分からないし」「旦那さんを長持ちさせるために自分で買うって惨め過ぎない?せめて一緒にサイト見るくらいの姿勢を見せてよ。そんな姿勢なら、もう私あなたとしたくない。」と、その場を離れた。


旦那さんに愛されていると思っていた。いえ、きっと間違いなく愛してくれているでしょう。でも私のことを思って愛しているのではなく、旦那さんの自分本位な愛だった。


そのことに気付いてしまい・・・違う。今まで気付かないように目を瞑っていたのだ。


私は泣いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る