Ep010 ネット恋愛編 私と絡んでる場合ではないよ

電話でした翌朝土曜日。私は明け方に目覚めしてしまっていた。6時51分になって彼から「おはよー」とLINEが来る。


直ぐに「おはよう」と返信すると「話せる?」と来たので飛び付くような気持ちで「うん」と送る。

電話が掛かってくる。彼の声がより一層甘く聞こえた。


彼の声を聞き入るため目を閉じてヘッドフォンを着けた耳に集中する。

昨夜のことを話そうとすると、はぐらかされる感じがしたので止めた。ただ昨夜の名残で名前で呼び合うのが自然となっていた。彼に名前を呼ばれると脳が甘く痺れるのを感じた。もう「さん」付けには戻れない。



何事もなかったように普通のお喋りで盛り上がる。SNSに投稿された小説の添削がすごく面白かった。

夜は娘とお酒を楽しみながら彼と何通もLINEした。楽しそうに大学やサークルの話をする娘を前にして彼に罪悪感を覚える。


「娘と話していて君はこういう年なんだよなーーって思う。」とLINEした。「何思ってるんだ?いったい。」「私と絡んでる場合ではないよってこと。」「それは人それぞれ。」そうは言っても娘と年の変わらない男の子。




突き離さなくては思いながら酔って声が聴きたいのを止められず「電話していい?」とLINEすると即座に「うん」と返信が来た。待っていたくれたのが分かり嬉しかった。

名前を呼んで、おやすみと言ってとお願いし「ノラおやすみ」と彼の甘い声を聴きながら眠りついた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る