Ep004 ネット恋愛編 娘と大喧嘩

楽しいお喋りをしてくれた彼のことが気になりつつ私からはもう連絡するつもりはなかった。おばさんが若い子と話したがるのキモいもの。



朝までの長電話から4日後、彼から「やっほー元気?」とLINEが届く。「元気じゃないよ。娘と物凄く下らないことで大喧嘩した。」「笑笑」「笑ってるし。」「何で喧嘩したの?」「下らなさの極みよ。」「話せる?」「うん。」



軽いノリで電話をし始め、娘とのたわいもないことから発展した大喧嘩を彼に話し笑われる。「どうしようもない話を聞かせてごめんね。」「いや?」と小さく笑う。


「意外と優しいね。」「ハイジとクララを見てるおじいさんの感覚だったから。」「また優しい例えだな。」「じゃれ会いを聞いたらそんな反応になるよ。」「じゃれあい言うなー!」「俺に取っちゃじゃれ合いだわ。」「くだらな過ぎるし、そんなことでまだ腹立ってる自分が情けなくて泣けてくるよ。」「なんというか……うん滑稽。」吹き出すように彼が笑う。



これまで家族と喧嘩したことは人に話すことはなかったが彼だと自然と話してしまう。会ったこともない人だからこそだと思った。彼をまるで王様の耳はロバの耳の穴みたいだなと思った。



翌日は私から話したいと連絡し23時から明け方まで夢中になってお喋りした。娘との大喧嘩の詳しい経緯と現在の話から彼の家族の話になっていた。


彼には10歳以上下の年の離れた妹がいて、赤ちゃんの頃に全てのお世話をし、今もとても可愛がっている様子だった。年齢の割りに大人っぽいのはそんなところからも来てるのだろうなと思った。



更にその翌日、娘と仲直りしたことを連絡した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る