最後まで奏でられなかった音楽(シーズン5)

殴り書き書店

第一章・第三十三話 Hit America

673 準備は万端♪

 第一章・第三十三話【Hit America】が始まるよぉ~~~♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

そして今回からは【TS眞子のアメリカ遠征編】の始まりと成りますですぅ~~~♪


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 033【Hit America】


 『じゃあ、頑張って行ってきます!!奈緒さん、1週間も付き合ってくれて、ありがとう』


「うん、気を付けて行って来るんだよ」


そう言って、やや心配そう表情を浮かべながらも、キッチリと見送ってくれた奈緒さんを背にしたまま。

地獄の全米45箇所ツアーを行なう為に、私はアメリカへの第一歩を踏み出した。


此処からは、もぉ絶対に振り返っちゃいけない事は重々承知している。


だから決して、奈緒さんの方には振り返らない。

そんな後ろ髪を引かれる気持ちを断ち切って、前を向いたまま私は、その場を立ち去っていった。


此処からは、奈緒さんの家のある上星川から羽田空港まで電車で移動して、国際線の飛行機に揺られてシアトルに入れば。


後は、野と成れ山と成れだ。


***


 ……あぁ因みにね。

シアトルに到着した後は、なにも考えなくて良い程、結構、余裕があるんだよね。


なんと今回は!!ちゃんと空港まで、迎えの人が来てくれているらしいのよ。


故にね。

前回の様な、余裕の無い突発的な渡米とは違い。

基本的な部分では、なにもかもが準備万端に成ってるらしい。


正に【至れり尽くせり】心配する事など、なにも無い。


まぁ多分、この辺に関しては、私が女の身1つでアメリカに行くから、崇秀が、その辺を考慮してくれたものだとは思うんだけどね。


けど、それに反して……今日1月14日、羽田を発って、明けて1月15日シアトルに到着後。

着いた日から、速攻でライブ開始っと言う、なんとも言え無い様な過酷なスケジュールが組まれている。

しかも、その後も、そのシアトルの『クロコダイル・シアター』を皮切りに、各州に点在している『亜米利加GUILD』の人達と、45箇所のライブを敢行して行くんだけど、50日間で、アメリカ全土45箇所も廻って行くもんだから……


なんと!!休みが、たった5日間しかない鬼スケジュール!!


これを考えた奴……『一回、面貸せ』って感じですよ。


まぁ、そうは言ってもね。

この休みの無いハードスケジュール以外は、実は大して、なにも心配はしていない自分が居る。

本来なら、此処アメリカでのライブに対してプレッシャーだの、なんだの考えるところなんだろうけど、私には、そう言うの基本的に無関係だからね。


―――何故なら、ご存知の通り、元々私は『ライブ』では、特に、これと言って、なにもプレッシャーを感じない方なので、基本的に緊張感があまり無いお気楽娘ですからね。


それに今更ジタバタした所で、演奏が上手くなる訳でもないんだから。

此処は1つ!!腹を括って、アメリカに乗り込むのが『ラスト大和撫子』ってもんですよ!!


『特攻精神』で、アメリカGUILD45艦隊に突撃ですよ!!


……ってかね。

実は、此処まで、自信と言うかなんと言うか、このおかしな余裕が有るのには、別にも理由があってね。

崇秀が、中国のお父さんのラボに帰った1月7日から、此処までの約1週間、色々な事を地獄の様な特訓でしてくれ。

実は、全てに置いて準備を万端にした上で、この日を迎えたんだよね♪


だから、こんなに、おかしな余裕を持ってる訳ですよ。


その地獄の特訓をした内容って言うのが、これ(↓)



①『ベースの練習』


アメリカのライブでは、崇秀が作った新曲12曲が、各州のGUILDメンバーによって演奏されるんだけどね。

実は、この曲自体を憶えるのは、私には、そんなに難しい事じゃあないんだよね。


だって、ほらほら……私ってさぁ。

曲の演奏を1度見たら、結構、全部弾けちゃうじゃない。


だからまずは日本で、この新曲をキッチリ弾けるベーシストを探したみたのよ。


そうしたら、GUILDジャパンの名ベーシスト遠藤康弘さんって人を、奈緒さんから紹介して貰った。

そんで1度、遠藤さんに、それらの12曲を一通り全部弾いて貰い。

まずは、その全てを、眼や、耳で感じて、全てを完コピする。


それを奈緒さん家に帰ってから、何度もベースを弾きながら、自分流に演奏を練り上げた行くだけで、事は万事OKだったんだよね。


後は、曲を忘れない様に、毎日弾いてれば……此処に関しては、意外と、なにも問題なし♪


一応、崇秀の作った新曲12曲のリストは、こんな感じね。


①『Perfect-dark』作詞/作曲:仲居間崇秀

②『Silence-time』作詞/作曲:仲居間崇秀

③『Spider snow』作詞/作曲:仲居間崇秀

④『ポンコツ』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑤『Bother man』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑥『DEI!! Die!! die!! fly』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑦『Spitfire』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑧『Black swimming』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑨『Loser dog heart』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑩『Eyes do`nt lie』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑪『鞍馬』作詞/作曲:仲居間崇秀

⑫『One night fool』作詞/作曲:仲居間崇秀



②『何故か三味線の練習』


崇秀の作った新曲12曲のリストの中で、明らかなまでに異彩を放つ曲。


『鞍馬』


前回の奈緒さんのライブで演奏した曲『帰郷』の三味線の音色が気に入って、崇秀が作った曲だと思われるんだけど。

実は、この『鞍馬』……私のパートは、ベースじゃなくて、何故か三味線なのよ。


いやでも、これ自体は、ただ単なる『崇秀の嫌がらせ』って訳じゃ無くて、このパートに私を当て嵌めたのには、彼也に、ちゃんとした理由があるのよね。


実は、私……此処だけの話なんだけど『ちょっとだけ、三味線弾けるんだよね』


その訳って言うのが……真琴ちゃんの所に来た新しいお母さんの『友美さん』って方が居るでしょ。

あの人ね、実は、華道のお師匠さんの免許を持ってる方なんだけど、昔からの趣味で『三味線』をやられててですね。


その友美さんの姿を、真琴ちゃんが見て。

丁度、去年の夏ぐらいに、友美さんの見様見真似で、勝手に彼女の三味線を借りて演奏してみたら。


あら、不思議。

何故か、ちょっとだけ上手く弾けたのよ。


それで下手成りに一発で弾けた真琴ちゃんは、妙に気を良くしてしまい。

それから毎日30分程、友美さんに教えて貰って三味線を弾いてたんだってさ。


でねでね、真琴ちゃん。

『東北の人間なら、オマエも三味線の1つも弾けた方が良いんじゃねぇの』とか、他府県の人が持つ、典型的な『東北人のイメージ』を勝手に私に押し付けてきて、三味線の演奏を私に、無理矢理教えて来たんだけど……


まぁ、ヤッパリ師匠(真琴ちゃん)が悪いのか。

私は、遊び程度にしか覚える事は出来なかった。


その話を、多分、崇秀が、どこか(モジャモジャ率高し)から嗅ぎ付けて、今回、この曲を描いたと思われる。


まぁそのお陰で、今までの様な遊び感覚とは違い。

本格的に『三味線』と向かい合う事になった訳なんですよ。


因みに私が使っている『三味線』の種類は『太棹(ふとざや)』


俗に言う『津軽三味線』


ベースで言うネックの『棹』は『紅木』って言って、見事なトラ模様な『木目(トチ)』が入っている、一番硬くて歪みがこない木材を使用。


そんで『胴』は『金細二本溝胴』

胴内部は、波打ってる『子持ち綾杉』で波が内部で音を折り返し。

胴内で綺麗に音を反響させて微振動を起し、スッゴク良い音を出してくれる。


崇秀が、お父さんのラボに帰る際に置いて行った物なんだけど……滅茶苦茶高いよ、これ!!

多分、その時の相場にも拠るんだけど、安くても『余裕で100万円』ぐらいはする筈。


そんなものを、普通は置いておかないんだけどなぁ。


あぁ因みにね。

三味線で練習した曲は3曲。

ライブでやる『鞍馬』は勿論の事。

奈緒さんのライブで崇秀が演奏した『帰郷』

そんで、津軽三味線と言えば『じょんがら節』


まぁまぁ『じょんがら節』は、三味線の基本になる様な有名な曲だから、結構、前から練習をしてた曲なんだけどね。



③『着物の着付け』


これはアメリカツアーの際に『必ずして欲しい』との、崇秀からのリクエストなんだけどね。


なんか知らないんだけどね。

あの男、私に、全ライブを『着物』を着て演奏しろって言うのよ。


なんでも、その訳を聞いたら、アメリカ人には未だに日本人に対して『芸者ガール』のイメージが有るらしく。

着物を着て演奏すれば、間違いなく盛り上がるらしいのよ。


まぁまぁ、この辺に関しては眉唾な情報なんだけど。

崇秀には、いつも、お世話に成ってる身なんで、奈緒さんに『着付けのやり方』を教わって、なんとか一人で着れる様にはなった。


実は、これが一番苦労したって噂もあるんだけどね。


後……『オマケ』の話としてね。


崇秀の奴、どこで(モジャ率高)情報を、仕入れたのかは知らないけど。

例の『年末にやった、コスプレライブ』の情報を知っていて(←自分でバラした事を忘れてる)。

着物の下に『不知火さんのコスプレ』を仕込んで置いて、魅せるパフォーマンスの為にステージ上で『早着替えをしろ』なんて無茶な注文をするのよ。


まぁ勿論、それ専用の『着物』を崇秀が用意周到に準備していたから、それを置いて行ってはくれてるんだけど。


なんで、忌まわしい記憶を蘇らされた上に、こんな羞恥プレイをしなきゃいけないのよ!!


……飛んだ罰ゲームだよ!!



まぁ……もぉ良いけどね。


早着替えもキッチリ練習してしまったし。



……っとまぁ、こんな感じで下準備だけをしている内に、あれよあれよと1週間が過ぎ。

今現在、アメリカはシアトルに向かっておる訳です。


でも、未だに、そんな感じで緊迫感は0ですね(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なにやら今回は、準備万端な状態でアメリカ遠征に向かったみたいですが。


次回、早速、到着した空港内で【些細なトラブル】発生!!


眞子は、そのイキナリの窮地を乗り越えられるのか?(笑)

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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