689 聞けば聞く程、偏屈者

 マイアミに在住している謎のGUILDランカーさん。

その方の話を聞けば聞く程、恐ろしく偏屈である事が明らかに成って行く。


その上で彼は……( ˘•ω•˘ )


***


「えぇっと、そんなに変わった方なんですか?」

「あぁ……あれは、もぉ変わった人なんて可愛いレベルじゃない。究極の変人だ。因みにだがな、鞍馬……」

「あっ、はい、なんですか?」

「なにを考えて、奴の話なんかを聞いてるのかは知らんがな。もし、アイツをライブに引き摺り出そうなんて考えてるなら、それは早々に諦めた方が良いぞ」

「なっ、なんでですかね?」

「今のアイツは、誰の言う事も聞きゃしない。それに元々仲居間さん以外の奴とは、絶対に演奏したがらない様な奴だからな」

「へっ?なっ、なんでですか?」


うわ~~~、これは聞きしに勝るぐらいの『崇秀系の変態さん』なんだぁ。


それだけでも、ドブの中みたいな嫌な臭いがプンプンしてるよぉ。

しかもジェニーさんの様子からして、こりゃあ一筋縄や二筋縄では上手く行きそうにないタイプだなぁ。


ヤダなぁ……



「いや、アイツはな。人を死ぬ程見下して生きてる様な奴だから、自分の判断で、自分より下の音楽性しか持たないと判断した奴とは、絶対に一緒に演奏したがらない様な奴なんだよ。……因みにだがな、奴の判断の仕方は、全て『GUILDランク』だ」

「あの……因みにですが……その方って言うのは、何位ぐらいのものなんですかね?」

「『亜米利加GUILD・MUSICギター部門:不動の第2位』だな。一度も2位以下に落ちた事が無い」

「えぇっと……じゃあ私じゃ、全然ダメって事ですかね?話にもならないですかね?」

「うぅ~~ん、ハッキリ言っちまえば、門前払いも良い所だろうな。……って言うかな。基本的な部分で、アイツは、仲居間さんの言う事しか聞かないんだよな」

「なんでですか?なんで、そんなに崇秀だけ優遇してるんですか?」

「そりゃあオマエ。なんと言っても『GUILD設立以来、仲居間さんが1度も揺るがない不動の1位』だからだろ。……しかも『全GUILDギター部門及び、総合ランクでも不動の1位』だからな。あの人にだけは誰も逆らえないんだよ」

「あぁ、そうかぁ。そう言えば、崇秀って『超絶変態ギターリスト』ですもんね」

「オイ、鞍馬。一応、警告として言って置くがな。それ……間違っても、アイツの前では、絶対に言わない方が良いぞ。下手したら、女だろうとギターで頭ぶん殴られるぞ」


うぇ……嫌過ぎる。

神経質っぽい感じなのに『ギターで殴ったり』して暴力でも訴えて来るんだぁ。


実は『サイコパス系』か『キレ系の人』とか、なんですかね?



「えぇ~~~……でもでも、なんで、そこまで崇秀に心頭してるんですか?」

「まぁ、単純に言やぁギターの腕だろうな。アイツは、仲居間さんが出現するまでは、自分の事を世界で一番のギタリストだと思い込んでた様な奴だからなぁ」

「じゃあ、なんで?そんな人が?」

「まぁ、この辺は、まんまの話なんだけどな。アイツが何度、仲居間さんに挑んでいった所で、仲居間さんのギターは異常なスピ-ドで『常に進化』しているからじゃないか?それでアイツが、幾ら追い駆けても『追い抜けない』と、多分、悟らされたんだろうな。だから、仲居間さんにだけは傾倒してるって話だ」


あのノンストップ超特急だけは……誰に聴いても、そう言う評価に成っちゃうんだね。


誰か止めてみたらどうですか?


……私には絶対無理だけどね。



「……そうなんですか」

「まぁ、だから今回は、流石に諦めるのが順当じゃないか」

「はぁ、まぁ、そうなんですけどね。……でも、一度でも良いから、その方と『マイアミで一緒に演奏してみたいなぁ』って、まだ心の何処かで思ってたりしてます」

「……そっかぁ。うん、じゃあ鞍馬には、シアトルでデカイ借りがあるから、一応、奴に連絡だけは付けてみるが……逢えるかどうかは、保証出来無いぞ」

「あっ……あぁ、はい♪それで十分です。私、後は自力でなんとかしてみせます」

「えっ?でも、変に期待されても、奴に逢えるか、どうかも解らないんだぞ」

「ダメならダメで、その人の家の前で粘ってみて、必ず逢ってみせますよ」

「っとは言ってもなぁ。……ホント、アイツは偏屈だから、一筋縄では行かないぞ」

「大丈夫ですよ。幾ら、変わった方だからと言っても血の通った人間ですから。きっと最後には逢ってくれますよ」

「なんと言うポジティブ・シンキング。凄い発想だな」

「ははっ……基本的な部分で、お馬鹿ちゃんなもので」


まぁ早い話ですね。

お馬鹿ちゃんの私には、それしか方法を思い付かない訳ですね……


ヤッパ、私って、真琴ちゃん同様の相当なお馬鹿ちゃんですね。


はい……そこについては、大分前から自覚しております。


しくしく;つД`)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


謎のGUILDランカーさん、聞くからに、かなりの曲者の様ですね(笑)


ですが、それでも尚、眞子は、彼をライブに引きづり出そうと考えてるのかして。

知り合いのジェニーさんを通じて、連絡を取って貰ったみたいです。


さてさて、この一連の行動が吉と出るのか、凶と出るのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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