690 偏屈者との戦端は開かれた

 ジェニーさんから聞く【謎のGUILDランカーさん】は、かなりの偏屈者。

だが、それでも尚、その人物に逢いたいっと思う私は、半ば強引にジェニ―さんにセッティングを頼み込んだ。


そして、その答えは……(*'ω'*)?


***


 ……そんな風にジェニーさんとの電話を切った後から更に一時間後。

今度はジェニーさんの方から、再度、私の宿泊しているホテルに直接連絡して下さり、先方さんが、なんの気紛れを起したのかは知らないんだけど、今日中になら『1度、逢ってくれる』との最高に良い情報が齎された。


それをジェニーさんから聞かされた時は、なにも考えずに、速攻でホテルから『その方の家に行こう』とは思ったんだけど……


流石に此処は、少し考えてみた。


何故なら……なんと言っても、相手の方は、ジェニーさんに聞いただけでも『かなりの変人さん』みたいだし、その上、性質の悪い事に『崇秀の信奉者』

ならば、このまま普通に行ったのでは、間違いなく『門前払い』にされるだけの結果に成りかねないので、此処で私はある事を思い付いた。


だからまずは、逸る気持ちを精一杯抑えて、ホテル内で出来る限りの『身嗜み』をキッチリ整える。

勿論その際には、汗の臭いが少しでも出てたら嫌なので、ちゃんと服も着替えるし、それに見合った髪型にも変えてる。


+『とある、変人さん専用の準備(此処重要)』もして行った。


……その後、今度は逸る気持ちを前面に押出して、ホテルから一気に外に出て、直ぐに道行くタクシーを拾い。

その謎のランカーの方が住まわれている住居へと向った。


さてさて……


どうなる事やら……


***


 ……謎のGUILDランカーさんの自宅に到着したのは、その約30分後。

マイアミの郊外にある、少し寂れた雰囲気の、とある一軒家の前に私は立っていた。


だが、そうやって到着したのは良いのだけれど。

何故か、その一角だけが、他の高級住宅街が並ぶマイアミとは、まるで別次元の様に感じさせるぐらい、明らかに異様な雰囲気を漂わせている。


それを証明するかの様に、此処まで私を乗せて来てくれたタクシーは、その家の近くで私を降ろすと……まるで、なにかを拒絶する様に足早にこの地を去って行く。


見様によっては、なにかを恐れている様にも見えなくは無い。


『一体、この地に何があるのだろうか?』


私は疑問に思いつつも……邸宅に付いた『呼び鈴』を押した。


『ピンポーン♪』


……すると、少しの間が空いてから、インターホン越しに声が返ってくる。



「どちら様ですか?私に、どの様なご用件でしょうか?」


この様子から言って、出来る限り、このインターホン超しでの会話で、事を全て済ませたい様子が伝わってくる。


まるっきり、此処に出て来る物言いでは無い。

……っと言うよりも、寧ろ、この時点で、早くも私を拒絶してるのが、よくわかる。


矢張り、一筋縄で行く様な人物では無い様だ。



「あっ、あの、私、倉津眞子と申します。シアトルにお住まいのジェニーさんからの御紹介で、コチラにお邪魔させて頂きました」

「左様ですか。……では、少々お待ち下さい」


丁寧な言葉遣いの中に、明らかに嫌悪感が見え隠れしている。

矢張り、今までの経緯から、人との接触を拒絶しているのだろうか?


人物像がハッキリ浮かばないだけに、謎は深まる一方だ。


……そんな私の不安を他所に、私が逢いに来たその男性は、事も無しに扉から出て来る。

男性は長身で色白。

そしてメガネを掛けているのが印象的なのか、見た感じは如何にもインテリ風の男性に見える。


その男性は扉から完全に出た後は、何故か私を値踏みする様に全身をジロジロと見ている。


なになに?なにこれ?



「初めまして、アナタが、ジェニー君から紹介された鞍馬さんですね。わたくし、イース=ホランドと申します」


イース=ホランドと名乗った男性は……何故か、私に向かって微笑んだ。


あれ?なんか聞いてた感じとイメージが全然違うなぁ?


あれ?



「あっ、あの、こちらこそ初めまして、倉津眞子です。宜しくお願いします」

「そうですか。……では、これでジェニー君との約束も果たせましたので、即座にお帰り下さい。さようなら」

「へっ?はっ……はい?」


えっ?


なに?どういう事?


なんで、訪ねて来た私を放ったらかしにして、さっさと家に入ろうとしてるの、この人?


えぇえぇえぇ~~~!!

これがもし彼の本気なら、聞きしに勝る偏屈者じゃないですかぁ~~~!!


なにこの人??


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


逢ってはみたものの……やっぱり、ただの偏屈者(笑)

しかも、自分勝手な解釈で、眞子とは本当に顔合わせをしただけで、そのまま自宅に消え去る始末。


もぉ最悪の人物ですね(笑)


さてさて、そんな度肝を抜く様な態度を取られた眞子なのですが。

次回は、そんな偏屈兄さんに対して、眞子のポンコツっぷりが爆発しますので。

よかったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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