680 またもや炸裂!!アメリカ人の本質(笑)

 眞子としての遠征ライブが始まったのだが。

まだ私の出番じゃないのに、会場の雰囲気はイマイチな感じ。


なので、此処で会場の雰囲気を上げようと、ステージの隅から援護射撃を始める私だったが……その結果は?


行けた?(´・ω・)?


***


 気付けば、私が援護射撃をした『One night fool』は、いつも通り終わっていましたぁ。


でも、結構、その演奏が功を奏したのか。

今ライブスペースに居る観客の皆さんは、さっきより、かなり増えている。


恐らくは、この現象が起こってる理由は、会場での盛り上がりを、カフェからモニター越しで見ていたのでは満足出来なくなったのだろう。


故に、今もですね。

多くの人々が、カフェからライブスペースへドンドン移動をし始めている。

そんで、いつの間にか、ライブエリアが7部~7,5部の入りと言った所になってるね。


故に、私の大好物の熱気が、かなりライブスペースに満ち溢れてきている。


……私は、それ等の観客の皆さんの動きを確認すると『ほっ』っと一息を付いて、一旦、アンプからシールドを抜き『79 Sting -rayちゃん』のミニスィッチをOFFにする。


まぁ……本当の事を言えばね。

今は大人しくスィッチをOFFにしたけど。

この抑え切れない衝動を、もっとも~~っと開放して、もっと『79 Sting -rayちゃん』の音を、この会場で響かせ続けたい所なんだけどね。

取り敢えずは、このライブスペースが、これだけの熱量を持てばOK。

後はニルさん達ランカーで、なんとかしてくれるだろうって考えがあるのよ。


……流石にこれ以上は、ただの出しゃばりになっちゃうからね。


『引き際も肝心』


それに私は、まだステージには立ってはいないから、このままベースを弾き続けても全然美味しくないし。


私だって、ちょっとぐらいは目立ちたい訳ですよ!!


兎に角、最低限のフォローはしたから、頑張れ~~~♪


***


 こう言うライブハウスでは、一旦ステージに火が付けば、それ以上の盛り上がりを作るのは、そう難しい事じゃない。

ニルさん達は『One night fool』以降に『Loser dog heart』を上手く奏で、ライブスペース自体の温度が良い具合にドンドン上昇して行ってる。


でも私は、まだまだこんな熱気ぐらいじゃあ全然物足りない。


けど、そう思う反面、流石は『沸点の高いライブハウスだ』とも思える。

だってさぁ、此処のお客さん、ニルさんのバンドの隙がベースの人である事を徐々にではあるんだけど完全に見抜いているんだもん。


だから観客の皆さんは、完全には盛り上がり切らず、どこか中途半端な燻った様な熱気しか感じない。


幾らバンドのランクが58位でも、ベースの人の個人ランクが、かなり低いんだろうなぁ。


折角、良いライブなのに……勿体無いなぁ。



……って思ってたら。

もぅニルさん達の出番中、ラストの曲『鞍馬』の演奏の順番に成っていた。


ふふっ……やっと出番だ♪



「HEY!!HEY!!HEY!!此処で海外からの『SPCIALゲスト』が用意したぜ!!HEY!!YOU!!誰だと思う?」

「「「「「オイオイ、誰なんだよ、ニル!!このクロコダイルシアターに乗り込むなんざ、どこの、どいつだぁ!!間抜け過ぎんぞ!!」」」」」

「ソイツはなぁ。日本からの刺客だ。さぁ誰だ?思い付く奴の名を言ってみろ」

「「「「「オイ、まさか!!仲居間さん!!仲居間さんかぁ!!マジで神の光臨かぁ」」」」」

「「「「「奈緒じゃねぇのか、奈緒だろニル?クロコダイルに乗り込める程の糞度胸のある奴なんて、奈緒しか居ねぇよ!!」」」」」

「「「「「遠藤ぉ~~だろ!!ファンキーベーシストの狂神・遠藤康弘だろぉ!!」」」」」


あぁ~~~、日本GUILDの知名度じゃあ、この3人に絞られたかぁ。

……って事は、この3人が、今、GUILDの日本人アーティストとしては、アメリカ人に一番注目されてるって事だよね。


あぁでも……嶋田さんの名前が出なかったのは、ちょっと残念だなぁ。

あの人が、本来の力を引き出せれば『崇秀に匹敵する実力』だから、普通なら、絶対に注目されて然りの人なのになぁ。

それに素直ちゃんもアイドルユニットみたいな感じで動いてるから、こう言うライブハウスではコールされる事もないかぁ。


なんか残念だね。



「いや、全然違うぜぇ。亜米利加GUILDランクに、今日登録したてでアメリカでの知名度0。個人ランキング4421位。ベースランキング872位の『ド新人』だ」

「「「「「オイ!!ふざけんなよ、ニル!!そんなルーキーが、このクロコダイルで、なにが出来るつぅんだよぉ。ションベンちびって泣くんじゃねぇのか!!」」」」」

「「「「「オイ!!こちとら、金払ってんだぞ!!そんな訳のわかんねぇ奴、とっと日本に追い返しちまえよ!!」」」」」

「「「「「帰れ!!帰れ!!帰れ!!帰れ!!此処じゃあ、そんなルーキーなんぞに用はねぇ!!日本に帰れ!!」」」」」

「ちょっと待て!!俺の話を最後まで……」


ふ~~~ん。


あっ~~~そぉ。

さっき、私のお陰で盛り上がったって言うのに……その私に対して、そんなブーイングなんかしちゃうんだぁ。


あっ~~~そぉ。


こんな屈辱、ライブをやってて生まれて初めてだよ。


もぉ良いよ。


だったらもぉコールなんてイラナイし……


『鞍馬』は、曲の最初に『太棹』のソロパートがあるから、もぉ問答無用でブチかましてやる!!


私にブーイングをした事を後悔しろぉ~い!!


いっけえぇぇっぇ~~~~!!


べベン……----♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪--♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪-----♪♪♪♪♪♪♪♪--


会場内に三味線の音が響き渡り。

観客の皆さんは、聞きなれない三味線の音に、間抜けにも、なにが起こったか解らず、一瞬にして静まり返る。


……ざまぁ!!


私は、そんな観客の皆さんを見渡しながら、ニルさんにコールされないまま、着物をひらつかせて強引にステージインする。


知・ら・な~~~い。

もぉ、なんにも、知・ら・な・い・も~~~ん・ねぇ~~~~♪


私にブーイングなんかする人が悪いんだも~~~ん♪


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


『天丼』ですな。

これはまさに、アメリカ人の気質を再度描いた天丼ですな(笑)


いやでも、ほんとアメリカ人って、こんな感じで。

『アメリカ至上主義』『実力主義』と言いますか、不明瞭な物は排除しようと言う気質が見受けられるんですよね。


なので、こう言う人種を黙らせるには実力を示すしかない!!


さぁ眞子、今こそ自身の実力を見せつけるのだぁ!!(笑)


……って事で、次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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