677 アメリカ人の性質

 奈緒さんとの横浜アリーナでのライブを見て実力を認めて貰えたのか、試しに三味線を弾く事に成った私。


その結果は、如何なる評価を得るのか?


どないですかね?(´・ω・)?


***


「……ってな、感じですかね」

「鞍馬……オマエ」


なんだい?


ひょっとして、その言い方からして苦情かい?

もしそうだとしても、苦情は受け付けませんよ。

だって、三味線を弾く前に、ちゃんと『崇秀みたいな音を期待すな』って言った筈だからね。


……この禿茶瓶だけは、ホント人の話を聞きなさいな。



「いやいや、凄いな、鞍馬!!最高にクール音だったぞ!!よぉし!!俺のバンドの時に、オマエには『鞍馬』の演奏を頼んだぞ」


あれ?これって苦情じゃなかったって事。

いや寧ろ、三味線の音を生で聞いて気に入ったのか、演奏依頼までしてくれてるって感じなのかな?


その辺がハッキリとは解らないから、取り敢えずは確認してみますかね。



「えっ?えっ?なんですか?なんですか?」

「ちょっと待てよ、ニル。鞍馬は、ウチのバンドでも登録してるんだぞ。勝手にテメェの所だけで選曲を決めんなよな」


なになに?今度はなに?

禿茶瓶と話してたら、今度は鳥みたいな頭をした人が話に入って来たよ。


誰ですか?


あっでも、この鳥の人も演奏の依頼はしてくれてたんですね。


まぁこの辺は、崇秀が推薦してくれてるからなんだろうけどね。



「えっ?あの?どちら様ですか?」

「ふざけんなよ、クリス!!今の今まで、鞍馬に微塵も興味を示さなかったくせに、三味線の音を聴いてから、急にシャシャってんじゃねぇぞ!!テメェのバンドなんぞ『ポンコツバンド』なんだから、鞍馬に『ポンコツ』弾いて貰って引導でも渡されてろつぅの!!」

「ざけんな!!テメェのバンドこそ糞みたいなバンドなんだから、鞍馬に『ポンコツ』弾いて貰えや!!厚かましいんだよ、テメェは!!」

「んだとコラ?腕へし折って、その耳障りで下手糞なギター弾けなくすんぞ!!」

「なら、テメェの口ん中に硫酸突っ込んで、その汚ねぇ声が出ない様にしてやろうか?」

「つぅか、あんなぁクリス。大体にして、テメェの所のバンドはヘビメタだろうが!!なんでそんなヘビメタバンドに『鞍馬』を入れる必要があんだよ」


あぁ~~あぁっ、なんか訳の解らない喧嘩が始まってるし。


なんなの、この人達?

亜米利加GUILDの人達って、基本的に気性荒い人が多いの?


喧騒の中、そんな事を呑気に考えてたら、そこに……

(↑こう言う場面には場慣れしてる私(笑))



「ヤメな!!オマエ等は、本当にミットモナイ男共だね。『鞍馬』は、ウチで貰ってやるから、アンタ等は諦めな!!」


おっ!!なんだい?なんだい?

此処を仕切ってるのかして、ケバイ化粧の女の人が2人の喧嘩を止めてるよ。


うむうむ、誰か知らんけど、精々頑張り給えよ♪



「オイ、糞カマのジェニーちゃんよぉ!!テメェ、なに勝手に仕切ろうとしてやがんだ?テメェなんざ一番格下のGUILDランカーじゃねぇかよ。……すっ込んでろ92位」


あぅ、この人ってオカマさんだったのね。

しかも、ハゲの人と、鳥みたいな頭の人よりGUILDのランクが下なんだ。


使えないなぁ。



「キィ~~~!!それは、ちょっとアンタ達よりGUILDの登録が遅れただけの結果よ!!うるさいのよ、この童貞野郎!!」

「うるせぇのはテメェの方だよ、この糞オカマ!!キィキィ耳障りなカナギリ声を上げてんじゃねぇよ。黙ってろ92位」

「あぁ、このツルッパゲの言う通りだ。92位の変態野郎は、すっこんでな」


あらあら、ランクが下なだけで豪い言われ様だねぇ。


あぁでも……崇秀と、この間、性同一性障害の話をしてたから、こう言うのが良く無いってのが良く解るよね。

差別を見たら、必ず見て見ぬ振りせずに、ちゃんと止めなきゃね。


心の冷めた悪い大人になっちゃう。



「ちょ、ちょっと待って下さいよ。そんな言い方は酷いんじゃないんですか。ジェニーさんが可哀想ですよ」

「うん?鞍馬、味方してくれるの?」

「あっ、はい。同じ女の子同士じゃないですか。だから、ニルさんも、クリスさんも、そんな事を言っちゃダメですよ」

「えっ?でっ、でもよぉ、鞍馬。そいつ、ただのオカマだぞ」

「あの~、私、思うんですけど。心が女の子だったら、それは既に女の子なんじゃないですかね?だからジェニーさんは、男の人じゃないんですよ」

「いや、でも、そんなケバイ化粧の女は、早々居ないぞ」

「そうじゃないんですよ。だからですね。ジェニーさんは、今まで男の人として生きて来られたから、女性のメイクの仕方を知らないだけなんです。……ですから、もし良かったらですけど、私が出来る限りジェニーさんを変えて見せます」


おっ、大見得切ったけど……本当に、私なんかに出来るかなぁ。

あぁでも、去年の夏のライブの時、要さんが繰り出した華麗なメイクテクニックを少しでも再現出来れば、少しは上手くメイクを出来るかも知れないね。


勿論、あんなに完成度の高い完璧な物が出来る筈は無いけど、なにか1つ位なら上手く出来るかも知れない!!


それになにより、崇秀にも、色々教えて貰ってるしね。


むん!!なら、四の五の考えずに、やってみせる!!



「いや、でもソイツは、ホントにただの……」

「行こ、ジェニーさん」

「えっ?あっ?うっ、うん」


私はジェニーさんの手を引いて、女子トイレに連れて行った。


当然女子トイレですから、男の子は入っちゃダメですよ。


此処は『男子禁制』の女子達だけの社交場なんですからね(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


眞子の三味線の音を聞いて、アメリカ人特有の民族性が出ましたね(笑)


それが何かと言いますと。

一般的なアメリカ人って、結構、多民族の技術を認めない所があるのですが。

一旦その技術を『(・∀・)イイネ!!』っと判断すると、掌返しをする性質を持ち合わせてるんですよ(笑)


今回は、それが顕著に表れた。

……までは良かったのですが、なんか別方向に話が行ってるみたいです。


さてさて、そんな中。

ジェニーさんを性同一障害だと判断した眞子は、彼女(?)をトイレに連れて行き。

なにやら仕出かしそうな雰囲気なのですが……一体、何をする気なのでしょうか?


次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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