675 クロコダイルシアターは良い所♪……なのかな?
アメリカに降り立ったまでは良かったが。
その出迎えに来てくれた人が、あまりにもウザい人だったので、落胆する私。
しかも彼は、此処シアトルからフェニックス迄の9箇所でのライブに於けるマネージャーだと言い出す始末。
その事を聞いた私は、(´Д`)ハァ…っと溜息をつきながらも、取り敢えずは彼の言葉に従う事にした。
***
……えぇ、さて。
そんな何か腑に落ちない感情を抱いたまま、まずはMrアメリカ版花輪君事ケヴィンさんに、車で一旦ホテルにまで送って貰い。
ライブで使わない荷物を、チェックインした部屋に全部置いて、今日のライブが行なわれる『クロコダイル・シアター』に向って歩いて行く。
勿論、ホテル出て行く際には、アメリカ版の花輪君に『ある事』だけを頼んで置く事も忘れてはいない。
ほんで、その後は、シアトルの街を、ホンの少しだけ堪能しながらもキリキリと歩いて行った。
***
……そんな事がありながらも。
早速やってまいりました!!
ミュージシャン憧れの舞台『クロコダイル・シアター』ですよ!!
この場所を知ってる方も、知らない方も、ほんのちょっとで良いから、私の話を聞いて下さいよ。
此処『クロコダイル・シアター』はですね……
『パール・ジャム』や『サウンド・ガーデン』に『マッドハニー』
それに何と言っても!!『ニルヴァーナ』が、よく出演していた有名なライブハウスなんですよ!!
でねでね、今の90年代にオルタナティブ・ロックのムーブメントを起した有名なライブハウスでもあるだよね。
正にツアー一発目から、超ハイライトな場所!!
それに、箱の大きさも、かなり大きく。
余裕で1000人ぐらいなら入れる容量だから、出来れば、そのライブスペースが満員に成った状態で演奏してみたいもんだよ。
まぁまぁ、どうやって崇秀が、この場所を上手く抑えたのかは知らないけど。
『亜米利加GUILD』のオープニング・ライブをやるには、西海岸では、これは以上の場所が無いって言っても過言じゃない程のハイライトな場所だね。
うぅ~~~ん!!早くも興奮するぅ~~~!!
けど……それだけ敷居の高いライブハウスだから、観客の皆さんの『盛り上がる沸点は、滅茶苦茶高そう』だけどね。
***
……ってな訳で。
此処を指定されて、此処まで来た以上、なんの遠慮も必要ないのでドンドンと勝手に楽屋の方に進んで行き。
『ガチャ』っと楽屋の扉を開く。
するとそこには、今日、出演するであろう3バンドのメンバーさんが、既に待機状態でスタンバって居た。
……にしても、なんともまぁ、柄の悪そうな厳ついニィちゃんの達が楽器持ってるなぁ。
なんだこれ?
あっ……でも、よく見ると、1人だけ、矢鱈とケバイ化粧の女の人が居るなぁ。
ってか、なにあれ……怖ッ!!
「あの~~~っ、失礼します」
私が挨拶をすると、一瞬にして、私に視線が集まり。
1人の厳ついハゲのニィちゃんが少し怒った様な感じで、直ぐに『ドシドシ』っと言う音でも出そうな勢いで、コッチに向かって来る。
なんだコイツ?
やるかハゲ?
「嬢ちゃん。どこかで道に迷ったのかも知れないけどなぁ。此処はバンドマンにとっての神聖な楽屋だぞ。サインが欲しいなら、ライブの後でしてやるから、今は、さっさと帰んな」
なに言ってんのかなぁ、このハゲわ?
大体にして私、ハゲた厳つい人のサインなんて、全く持って要らないんだけどなぁ。
もし貰ったとしても、イラナイから、直ぐにフリスビーにして遊んじゃうぞ。
ヒュルルルルゥ~~~(*'ω')ノ ー=◇
「あの~~~っ、私は、別に、アナタのサインが欲しい訳じゃないんですけど」
「じゃあ、此処に、なにしに来たって言うんだ?ひょっとしてお嬢ちゃん。楽器なんか持ってる所を見ると、まさか此処にライブでもしに来たとか言うつもりかい?」
「いや、あの」
「もしそうなら、お門違いも良い所だぜ。此処は、小学校の学芸会をやる所じゃないんだからな。ハハハハハ……」
「あぁ、あの、それぐらいは解ってますよ。でも、崇秀に頼まれて日本から来ましたので。まぁライブには参加させて貰いますね」
「ぷはははは……聞いたかよ、みんな。この日本人、此処でライブをする腹積もりらしいぜ。つぅか、オイオイ、お嬢ちゃん、悪い冗談はもぉよしな。オマエ、頭の中身は大丈夫か?此処『クロコダイル・シアター』だぜ。オマエの様な雑魚が演奏出来る場所じゃねぇんだよ。……それによぉ。勝手に仲居間さんの名前を語ってんじゃねぇよ。いい加減、訳の解らねぇ事ばっかり言ってねぇで、サッサと帰りやがれつぅの!!」
チッ……
一回死ぬ思いをしながら、悶絶するぐらい殴ってあげようか?
あんまり調子に乗って、私に舐めた口を利いてると……ホント知らないよ。
……マジで後悔するよ。
「あの、そうは言われましても。事実そうなんで、他に言い様がありません」
「オイオイ、もぉ本当に、いい加減にしてくれよ。良いか?俺達はな、ライブ前で気が立ってるんだ。あんまオイタが過ぎると怪我だけじゃ済まないぞ。なっ、解ったら、もぉこれ以上、俺等の手を煩わせるな」
「はい?たかがライブ如きで、なにをそんなにいきり立ってるんですか?たかがライブですよ」
「オイオイ、オマエ、言うに事かいて、なに言ってんだ?それに『たかがライブ如き』ってなんだよ?俺達はな。此処で命賭けて必至に演奏やってんだぞ。そんな俺等を前にして、日本の遅れた音楽を引っさげて、此処でなにしようってんだ?」
「あの~~~っ、こう言っては、なんなんですけど。……崇秀も日本人なんですけど」
「オマエなぁ。あの人は特別だろ。……神だよ神」
神なんだ。
まぁ神と言うよりも、世界で最も『狂気の神に愛された男』って言う方が、より正しいと思うんですけどね。
でも、意地悪だけど、凄く良い奴だよ♪
「あの、問答していても仕方が無いんで、率直に聞きますけど。……どうやったら、私を信用して頂けるんですか?」
「信用だと?……じゃあコチラも、手っ取り早く聞くけどなぁ。オマエの『GUILDランク』は何位だ?」
「えっ?そんなの知らないですよ。だって私、登録してないですから」
「オイオイオイオイ、それで、一体、なにを信用しろって言うんだ?戯言吐くのも大概にしろ。GUILDに登録すらしてないオマエが此処でライブをしようだなんて、非常識も甚だしいぞ」
「……って、言われましてもねぇ。なんなら、私の身分を証明する為に、崇秀か、奈緒さんに直接電話しましょうか?」
確か、崇秀だけじゃなく。
真琴ちゃんが、ボブさんに聞いた話じゃ、奈緒さんも、アメリカでの知名度が、かなり高かい位置にあった筈ですからね。
なので申し訳ないんですけど、その知名度に縋らさせて貰いますね。
この禿、矢鱈とうるさいんで。
「オイ、嬢ちゃん。今、オマエ、なんて言った?」
「えっ?だからぁ。私の身分を証明する為に『崇秀か、奈緒さんに電話しましょうか』って言ったんですけど」
「奈緒って……まさか、向井奈緒の事か?」
「そうですよ。私、今、奈緒さんに家でお世話になってるんですよ」
「嘘だろ」
「いえ、だからぁ。最初から、なに1つ嘘なんて言ってませんよ。全部纏めて本当ですよ」
「そんな与太話、信用出来るかよ。……第一、例え、向井奈緒と知り合いでも、オマエの実績が無いのには、なにも変わらないじゃないか」
「まぁ、確かにそうですねぇ。あぁでも、つい、この間、奈緒さんとは一緒に横浜アリーナでライブしましたよ。……これでもダメですか?」
これで……どぉ?
確か、あのライブって、崇秀が全世界に向けて『ライブ中継を一葉さんにさせてる』って言ってた様な気がするんだけど。
多分、悪魔の腹心が、あのライブの中継を配信してるって事は、ネットで間違いないと思うんだけどなぁ。
まぁその動画が削除されず、ネットに残ってると良いんだけどね。
「ちょ、ちょっと待て。それって、あの仲居間さんが、日本で参加したライブの事か?」
「そうですよ。私、アソコでベース弾いてましたけど。……それじゃあダメですかね?」
「ちょ、ちょっと待てな!!……オマエが、本当に、あのライブに居るか確認するからよぉ」
「あっ、はい♪じゃあ是非、それでお願いします」
誰かも知らない、この厳ついハゲのニィちゃんは、慌ててローディの人にパソコンチェックをさせてるみたい。
あの様子じゃ……あの人、自分じゃあパソコンが使えないんだね。
あぁ序に言えば、私と、ハゲの厳ついニィちゃんの会話を聞いていた周りのバンドの人もパソコンの周りにドンドンと集まって行ってるね。
……そんで数分後。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
事前に連絡が行っていたにせよ。
突然、眞子の様な子供が楽屋に入ってきたら、そりゃあ、楽屋に居たバンドの人達もこう言う態度にも成りますよね(笑)
……っとは言え、この程度の事で引き下がらないのも眞子。
いつものコミュニケーション能力で、この試練も乗り切って貰いましょう♪
まぁ、これ自体、眞子のコミュニケーション能力を図る為に、崇秀が考えた事なんですけどね。
って事で、眞子は、またモンキーダンスです(笑)
さてさて、そんな中。
矢張り、コミュニケーション能力の高い眞子にとっては、この程度の事は問題に成らず。
上手く、禿げのニィチャンを、自身も出演した奈緒さんのライブ目で導いて行ったのですが……
この後、どんな反応が返って来るんでしょうね?
次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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