684 アメリカ初ライブ終了と、眞子の心の成長
HELPとして演奏に参加したものの。
観客が、私の演出や演奏に好感触を持って下さり、アンコールを単独で行う事に成った。
そんな私がアンコールで演奏したのは、三味線を使った『じょんがら節』なのだが、観客の反応は?(´・ω・)?
***
『パチッ……パチッパチッ……パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
「「「「「おぉぉおぉお~~~~~!!クール!!クール!!エクセレント!!」」」」」
「おぉぉぉおぉ~~~~、鞍馬姫!!まさに日本の心、神演奏でございましたぞ!!」
「「「「「神演奏?……おぉ!!」」」」」
「「「「「鞍馬姫!!神演奏!!光臨キタァァ~~~~!!」」」」」
わっわっわっ……なにこれ、なにこれ?
三味線が思った以上の好評価を得たのか、考えもしなかった様な凄い歓声と拍手貰っちゃったよ!!
ヤッパあれかなぁ?
アメリカ人の方達にとって『三味線』の音って聞き慣れない音だから、物珍しいのかな?
もしそうなら、思ってた以上の凄い好感度を得てるよ!!
こりゃあ、全米ツアー中、結構な武器に成りそうな雰囲気だね。
「あっ、あぁ、あの、お耳汚しを」
「「「「「鞍馬姫!!もぅ一曲!!もぅ一曲!!もぅ一曲!!もぅ一曲!!……」」」」」
「あっ、あの、私、本当に、もぉ次の一曲しか弾けませんよ。あっ、あの、それとですね。私は、歌が全く唄えないので、此処でジェニーさんにお手伝い頂きたんですけど。ジェニーさんコールをお願いしても良いですか?」
「「「「「ジェニー?……ニルじゃダメなのか?」」」」」
「あっ、あの、声質の問題なんです。この曲では高い声が欲しいので、是非ジェニーさんにお願いしたいんですが。……どうか、私を助けると思って、ジェニーさんコールを宜しくお願いします。ホント、お願いします!!」
頭を膝に着くぐらいまで、深々と下げて懇願する。
これぐらいしかジェニーさんにお詫びが出来無いから、ホントお願いしますね。
傷付けちゃいましたから……
「皆の者!!姫が、ジェニ殿ーをお呼びでござるぞ!!ジェニー殿、出て来るでござる!!」
「此処で呼ばなきゃ、姫が困っちゃうっしょ!!ジェニー殿、COME-ON!!COME-ON!!」
「「「「「ジェニー殿……あぁ!!」」」」」
「「「「「ジェニー!!ジェニー!!ジェニー!!ジェニー!!ジェニー!!」」」」」
「「「「「ジェニー!!ジェニー!!ジェニー!!ジェニー!!ジェニー!!」」」」」
ヤタッ!!会場一杯の『ジェニーさんコール』だ!!
此処まで観客の皆さんがお膳立てをしてくれたんだから、これでステージにジェニーさんが現れなかったら……もぉしょうがない!!
この際、自爆覚悟で、私が唄っちゃる!!
……自信0だけどねぇ~~~~。
「「「「「おおおぉぉぉおぉおぉお~~~ジェニー!!」」」」」
来た!!
そりゃあそうだよね。
此処まで『Well comeモードなステージ』に出て来ないミュージシャンなんていないよね!!
ε-(´∀`*)ホッ自分で唄わなくて済んだ……一安心。
でも、ジェニーさん。
私の後ろを一回通って『ポカッ』って、頭を軽く小突いて行くんだよ。
「このお節介」
「あっ、あの、ごめんなさい」
「でも……ありがとな、鞍馬。結局、HELPを頼まなかった俺の事も、ちゃんと気にしてくれてたんだな」
「あぁ、いえ、そう言うんじゃなくて。私、みんなでライブを成功させたいんです。……その方が楽しいですから♪」
「ははっ、こりゃあ、まいったね。……人間の大きさの違いて奴かぁ。だったら、せめて、それに答えれる様に唄うよ」
「あぁ、はい。宜しくお願いしますね」
良かったぁ~~~。
私にも、こんな事が出来るんだ。
むん!!じゃあ気合十分……此処に居る全員『しゃみ太』で全滅させてやる!!
あぁそれはそうと、崇秀や、ステラさんが、よく使う『ブースト』って技、アレ、私にも出来無いものかなぁ?
理屈は、理論は、全然わかんないんだけど、相手の声に徹底的に合わせれば、ひょっとして、ちょっとぐらいなら何か効力が出るんじゃないのかなぁ?
よし!!わかんないけど、取り敢えずやってみよっか。
『ミニスィッチ付きの79 Sting -rayちゃん』じゃなく『しゃみ太』だから不安だけど……
「それじゃあ皆さん。本日ラストの曲『帰郷』……ごゆっくり、ご堪能下さい。……ハァ~~~!!ハッ!!」
♪♪----♪-♪-♪♪♪--♪-♪-♪--♪-♪--♪♪♪--♪-♪-♪--♪-♪--♪-♪-♪--♪-……
「♪~~~♪~~~~~」
うん、奈緒さん程マッチング感は無いけど、思ってた以上にジェニーさんの声は『帰郷』に合ってる。
後は、私が此処で、勝手に出来ると思い込んでる『仮ブースト』を掛けてみれば!!
いっけえぇぇぇ~~~~~!!
♪♪----♪-♪-♪♪♪--♪-♪-♪--♪-♪--♪♪♪--♪-♪-♪--♪-♪--♪-♪-♪--♪-……
……ごめんなさい。
……後の事は、なにも憶えてないです。
***
「はい、でわ、以上を持ちまして、本日の曲は全て終了です。……皆様、お粗末さまでした」
『パチッ……パチッパチッ……パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
「「「「「おぉぉおぉお~~~~~!!クール!!クール!!エクセレント!!」」」」」
……終わったよ。
遠征一発目のライブから、超愉しかった♪
……って、イカンね。
また悦に浸って、スッカリ忘れてたよ。
「では、最後に、観客の皆さんとご一緒に、今日のライブを楽しく組み立てて頂いた他のバンドの方達にもステージに上がって頂きたいと思います。……皆さん、盛大な拍手でお迎え下さいね」
「「「「「良いぞ、姫~~~~!!」」」」」
「ありがとうございます。では、最初は、本日のオープニングを飾って頂いた『Jany-Alien』の皆さん。……ハイ、拍手ぅ~~~♪」
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
なんかさぁ、こう言うの、カーテンコールって言うんだよね。
でも、こう言う激しいライブをする様なライブハウスで、こんなのやったっけ?
まぁ良いっか。
観客の皆さんも喜んで下さってるみたいだし。
「そして私の、アメリカでの初ライブを体験させて頂いた『Dio-king`s』の皆さん……盛大な拍手で、お迎え下さい」
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
「そして最後は、緊張してる私を最後まで心配しながら演奏して頂いた『X-DESIRE』の皆さんです。……最後なので、本当に目一杯の盛大な拍手でお願いします!!」
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
うわっ!!本当に凄い拍手だね。
拍手で起こる風で、私が楽屋まで吹っ飛ばされそうだよ!!
う~~~ん、でも、気持ち良いなぁ~~~♪
「……以上です。本日は、どうもありが……」
「待て待て、鞍馬。今日の立役者のオマエが、まだコールがされてないだろ」
「えっ……でも、私は」
「オイオイ、勘弁してくれよ。オマエのコールがなきゃライブは終わらねぇし、終われねぇよ」
「そう言うこったな。じゃあ、観客諸君。最後に……せ~~の!!」
「「「「「鞍馬姫!!最高だったよぉ~~~~!!」」」」」
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
「「「「「また、いつでもシアトルに来いよぉ!!みんな待ってるぞぉ!!」」」」」
「「「「「お疲れ様ぁ~~~!!今日のライブ!!ベストギグだったぞぉ!!」」」」」
あぁ……もぉ……ダメだって……
そう言う事しちゃあ……
私は泣き虫なんだから、感動したら直ぐに泣くよ……泣いちゃうんだからね……
「グスッ!!あり……ありがとう、グスッ!!……ございます。グスッ!!グスッ!!……シアトル……グスッ!!グスッ!!シアトルの皆さんは最高です!!……ありがとう♪……」
感動のあまり、言葉に『成っている』のか『いないのか』すら解らないまま言葉を出した。
でも、本当に……ありがとうございました。
またシアトルには来たいです。
すると……
「よっしゃあ!!じゃあ、今回のライブの成功を祝して、最後は鞍馬の胴上げだ!!」
「えっ?……えぇえぇぇぇ~~~っ!!ちょ!!ちょ!!」
「良いねぇ、一丁やったるかぁ!!」
「んじゃま、俺も」
私を歓迎してくれたバンドの皆さんが、何故か感動に浸ってる私を胴上げをし始めた。
なにこれ、なにこれ?
あっ、でも……
「わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!……」
「わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!……」
「わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!わっしょい!!……」
「ちょ、ちょっとヤメテ!!パンツ!!パンツ丸見えだから!!この衣装だとパンツ丸見えだから!!」
「あっ……すまん。勢いだ。許せ」
「もぉ……最悪。恥ずかしいなぁ……」
「すっ、すまん。勢いだ。許せ」
……最悪。
……シアトルのバンド嫌い。
嘘♪楽しかった♪
みんな大好きですよ♪
「……あっ、あの……最後にお見苦しい点がありましたけど。皆さん、本当にありがとうございました。最後に拍手をお願いします。皆さん、本当にありがとうございました♪」
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
『パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!』
はぁ……本当に終わった。
滅茶苦茶疲れたけど……今回のライブ、本当に、本当に楽しかった♪
また来たいな……シアトル……。
そう思いながら、みんなで楽屋に引き上げていった。
……うん?
うぅ、うん!!
「あぁそうだ、そうだ!!忘れてた!!あっ、あの……」
「「「「「……うん?」」」」」
私は、楽屋に戻る途中でステージから飛び降りて。
みんなが呆けてる間に、バンドの商品等が売ってる物販所まで移動する。
「あっ、あの、皆さん、すみません。最後にGUILD主催者、仲居間からの伝言です!!」
「「「「「うん?仲居間さんからの伝言?なに?」」」」」
「えぇっとですね。仲居間が言うにはですね。えぇ~~~、今回、諸事情でライブに参加出来なかったので、お詫びに『日本食のお寿司』用意させて頂いたそうなのです。えぇっと、ですから、お寿司を飲食スペースに置いてありますので、皆さんで召し上がって下さい。との事です……以上です」
そして再び、その場で深々と頭を下げた。
まぁ……崇秀は、私が、観客の皆さんに振舞えって言ってたけど。
流石に、それは違うと思うんで、崇秀が振舞ってる事にしました。
だって、こんな楽しい時間を作ってくれたのに、私ばっかりがプラスじゃあ崇秀に申し訳が立たないもんね。
……にしても、私が、ライブやってる間、あのアメリカ版の花輪君は、淡々とお寿司を作ってたんだろうか?
謎だ。
***
……っと言う事で、これで、本当に本日のライブは終わり。
本来なら、此処からは楽しい♪楽しい♪打ち上げなんだけど……
私は楽屋で30分程バンドの皆さんと話した後、打ち上げには参加せず、良い子はサッサとホテルに帰って……寝る。
だって未成年だし、夜更かしは、美容の天敵ですからね。
それに下手な事をしたら強制送還されるから、アメリカに来てまで、真琴ちゃんみたいに悪さはしちゃイカンのよ!!
それになにより、全米ツアーのライブが、まだ44箇所も残ってるんだから……此処でキッチリと体力温存しとかなきゃね。
そんな訳なんで……おやすみなさい。
因みに……寝る前には、ちゃんと風呂には入ったからね。
歯も磨いたからね。
では、また次回~~~♪
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第一章・第三十三話『Hit America』は終了に成るのですが、眞子のアメリカでの初ライブは如何でしたでしょうか?
今回に至っては、演奏や演出も去る事ながら。
あまり上手くオープニングアクトを飾れなかったジェニーさんのフォローまで出来る様に成ったので。
私個人としては、非常に満足のいく結果だったと思いますです♪
まぁ、元々倉津君自身がお人好しな性格をしてる部分がありますので、この行為自体は、そんなに珍しい事ではないのですが。
今回は【崇秀や奈緒さんが居ない場所でのフォロー】に成りましたので、これは人間的にも良い成長を遂げていると思いますです。
ただ、1つだけ懸念する部分があるとすれば。
今回のこのお節介に関しては『女性的な感覚』が大きく影響してる部分がある事ぐらいですかね。
眞子の思考自体が、完全に女性寄りな考えに成って来てるみたいですので。
(以前の倉津君ならお節介はしても、ライブでの失敗のフォローなんて考えてなかったですからね)
さてさて、そんな感じでアメリカでの初ライブを終えた眞子。
当然次回も、アメリカ遠征編が続くのですが、此処で、ある事件が起こります。
そんな次回のお題は【Secret Ranker】!!
なにやら不穏な空気が流れて来ましたね(笑)
もぉ、真琴ちゃんじゃないんだから辞めてよぉ(。◕ˇд◕)/ ('ω'*)ダメです←女子に成っても容赦なし(笑)
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