687 謎のGUILDランカーの情報

 イケオジなマネージャーであるジェフさんと共にマイアミの地を目指す私。

そして、その移動中に『謎のGUILDランカー』の存在を知る事に!!


果たして彼は、一体、どの様な人物なのか?


……なんか嫌な予感が(>_<)


***


「あの、その方は、音楽関係の方ですか?」

「あぁまぁ、そうなんだけどね。僕は、彼とは業種が違うから、詳しい事までは、よく知らないんだ。でも、聞く所によると『あの』仲居間さんに匹敵するギターの腕の持ち主らしいよ」

「崇秀に匹敵!!……本当に何者なんですか?その方は?」


……化物だ。


間違いなく、マイアミにはトンデモナイ化物が潜んでいる。

崇秀に匹敵する演者と言う時点で、どう考えてもまともな訳がありませんからね!!


危険だから近付くな!!


……嘘。


これは良い話を聞いた。


興味津々ですね♪



「うん、さっきも言ったけどね。僕も詳しい事は、よく解らないんだけどね。けど……」

「けっ……けど?」

「なんでもね。噂じゃあ、ギターの腕前は、本当に神懸かってるらしいんだけどね。その分、性格があまり良くないらしく。バンドに入っても、メンバーとは、いつも直ぐに諍いを起して、逃げる様に家に引き篭もってしまうらしいんだ。……まぁこう言う性格は、天才たる所以なのかもね」


あっ……それは違いますよ、ジェフさん。

幾ら天才だって言っても、何所まで行っても人なんですから、バンドで上手く行かなかったら、言いたい事ぐらいは幾らでも有ると思うんですよ。


でも、それを他のメンバーの人が聞いても『天才の言う事は、俺達凡人には理解出来ねぇな』とか言って、自分の理解力の低さを棚に上げて、その人の出す『高い要求に応じられない』からこそ起きやすい現象なだけなんじゃないですかね。


きっと他の人達が、その人の才能を『僻んで』、その人を爪弾きにしてるんだと思いますよ。


実際、私も日本に居る『嶋田さん』って言う人が、長期に渡って、その人と『同じ目』に遭ってたって話を真琴ちゃんから聞いた事が有るから……多分、これは、その類の話で間違いないと思います。


……若しくは、崇秀みたいな、救い様の無い強烈な変態。


恐らく、このドッチかですよ。


あぁでも、なんにせよ。

なんか、これは、本当に良い話を聞いたぞぉ!!


その『謎のGUILDランカーさん』とやらを、明後日のライブ(今日・明日は25日ぶりの休み)に引き摺りだしてやろっと。


勿論、それだけの腕が有るなら、奈緒さんのツアーの時にも一緒に参加して欲しいしね♪


ホント、ナイス情報だよジェフさん♪



「あの~~~、ジェフさん」

「うん?どうしたんだい?」

「あのぉ~、その方のご住所か連絡先って、ご存知ないですか?」

「いや、流石に、知ってるのは噂だけで、住所や連絡先まではわからないね。けど。この間、眞子以外の子をマネージメントをした時に、シアトルに居る『ジェニーなんちゃら』って子が、その人物の知り合いだって話は聞いた事が有るよ」

「えっ?あの……ひょっとしてなんですが、その『ジェニーなんちゃら』って方は、少し女性っぽい格好をされてる方で、ジェニー=ボーイさんって名前の方じゃなかったですか?」

「あぁ確か、そんな事を言ってたかな。名前もそんな感じだったと思うよ。でも、よく知ってたねぇ」

「えぇっと、これも偶然の出逢いなんですが。ジェニーさんには、シアトルでのライブの時に、お世話になった方なんですよ」


これはもぉ、確実にジェニーさんだね。


……にしても、なんと言う奇縁なんだろね。

まさか『謎のGUILDランカーさん』が、ジェニーさんの知り合いだったとは。


これバッカリは、本当に思いも寄らなかったよ。


なので兎に角、電車がマイアミに着いたら、早速、ジェニーさんに電話で『知り合いかどうか』を確認してみて。


もしそうなら、ジェニーさんから、一度その人に連絡を取っ……


うん?……って、あれ?ちょっと待って!!


どうやって?私……どうやってジェニーさんに連絡付けるの?

彼の連絡先すら、まずにして知らないのに、どうやってジェニーさんに連絡したら良いの?


あぁ~~~あぁっ、結構、簡単に上手く行くと思ったら、イキナリ自分の馬鹿なミスで、ぶ厚い壁にぶち当たっちゃったよ。


困ったなぁ。



「なら、その人に連絡して貰うと良いよ。……にしても、本当に『人に縁』のある子だね。君は……」

「あぁ、ですね。でもですね。翌々考えたら、ジェニーさんの連絡先すら解らないと言う……とんでもなく、お間抜けな子だったりもします」

「ぷっ!!そうなんだ。……眞子も意外と抜けてるんだね」

「笑わないで下さいよ!!もぉ」


結局、なにをやっても、私は、所詮、馬鹿なのね。


これじゃあ、どこかの誰かさんと一緒じゃん。


『三つ子の魂は……ヤッパリ百までなんだろうか?』



「ごめん、ごめん。……あぁでも、その人の連絡先が解らないんだったら、一緒にライブをしたライブハウスに問い合わせてみたら、どうだい?ひょっとしたらだけど、連絡先が解るかも知れないよ」

「えっ?あっ、あぁ!!そうか、そうか、そうですよね。ライブハウスの方なら、出演者のジェニーさんの連絡先を知ってる可能性は高いですよね!!ジェフさん、頭良いですね」

「えっ?あっ、うん。そう……ありがとう」


『それぐらい、直ぐに解るだろうに……』って感じの微妙って顔しながら、引き攣って笑ってる。


でも、これは仕方がないよね。

最初から、自分で、も~~~っとちゃんと考えていれば、自ずと、そう言う意見にも行き着く筈だからね。


これは、微妙な顔をされても仕方ないかぁ~~。


はぁ~~~。



「あっ、あの、兎に角ですね。マイアミに着いたら『クロコダイル・シアター』に早速連絡をしてみます……ははっ」

「うっ、うん、そうしてみたら良いよ」


腹を抱えて思い切り笑いたいのか、さっきよりも顔が『ピクピク』引き攣ってるし……


ははっ……でも我慢して笑わないで下さいね。


私自身が、非常に悲しい気持ちに成ってしまいますから……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


謎のGUILDランカーの正体が、少しだけ浮き彫りに成って来たのですが……眞子は大ボケでしたね(笑)


まぁ元々そそっかしい所がある子なんで、こう成っても然りなのですが。

テンションが上がってたとは言え、もう少し冷静に対応出来る様になって欲しい物です(笑)


ホント、今のままじゃあ、何処かの倉津君と同じままですからね。


さてさて、そんな中。

もう直ぐ目的地のマイアミに到着する訳なのですが。

基本的に、即断即決即行動の眞子は、一体、この後、どの様な行動を起こすのか?

そしてマイアミに住む、謎のGUILDランカーとは出会う事が出来るのか?


次回は、その辺のやり取りを書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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