概要
ゆるやかな終わりに向かう世界で、私達は出会った
西暦二一二二年。突如、世界に広まった終末睡眠症候群《ESS》によって、人類はわずか二年のうちに人口の四割を失い、世界はゆるやかな終焉へと向かっていた。
十七歳の少女・島寄未希(しまよりみき)は、ESSによって家族や友人をはじめ親しい人達を失ったことで心を閉ざし、他人と関わりを持つことを避けるようになっていた。
未希が収容された第十八残存生活者支援施設の住人も皆似たようなもので、新しい人間関係を作りたがらず、誰とも関わりを持とうしない者がほとんどだった。
施設での生活に慣れた頃、未希はひょんなことから同い年の少女・明川結実花(あけがわゆみか)と知り合う。結実花は他の住人と違って人懐っこく、周りから無視されてもめげなかった。彼女とのたわいないやり取りを重ねるうちに、未希の中で眠っていた感
十七歳の少女・島寄未希(しまよりみき)は、ESSによって家族や友人をはじめ親しい人達を失ったことで心を閉ざし、他人と関わりを持つことを避けるようになっていた。
未希が収容された第十八残存生活者支援施設の住人も皆似たようなもので、新しい人間関係を作りたがらず、誰とも関わりを持とうしない者がほとんどだった。
施設での生活に慣れた頃、未希はひょんなことから同い年の少女・明川結実花(あけがわゆみか)と知り合う。結実花は他の住人と違って人懐っこく、周りから無視されてもめげなかった。彼女とのたわいないやり取りを重ねるうちに、未希の中で眠っていた感