概要
今、自分のための冒険に出よう。いつかこの脚が、何処へもゆけなくなる前に
冒険者歴二十二年のベテラン冒険者シド・バレンスのパーティは、その日、重なりに重なった仲間たちの慶事によってあえなく解散と相成った――
心配そうに背中を見つめる仲間たちに見送られながら、やむなく古巣の町へと帰ってきたシドを待っていたのは、「おめえにやる仕事はねえ」という厳しい言葉。
そして、「ベテラン」というにはだいぶん悲しい、「経歴が長いだけの冒険者」という重苦しい現実。
なぜなら冒険者歴二十二年のベテラン冒険者シド・バレンスは、冒険者としてはかろうじて『一人前』と呼べる程度に過ぎない《銀階位(シルバー・クラス)》の冒険者。
それは一端の冒険者でこそあれ、それ以上の高みへ昇れるような冒険を果たせなかった冒険者ということ。
にもかかわらず、いつまでも《冒険者》という立場にしがみつきつづけた
心配そうに背中を見つめる仲間たちに見送られながら、やむなく古巣の町へと帰ってきたシドを待っていたのは、「おめえにやる仕事はねえ」という厳しい言葉。
そして、「ベテラン」というにはだいぶん悲しい、「経歴が長いだけの冒険者」という重苦しい現実。
なぜなら冒険者歴二十二年のベテラン冒険者シド・バレンスは、冒険者としてはかろうじて『一人前』と呼べる程度に過ぎない《銀階位(シルバー・クラス)》の冒険者。
それは一端の冒険者でこそあれ、それ以上の高みへ昇れるような冒険を果たせなかった冒険者ということ。
にもかかわらず、いつまでも《冒険者》という立場にしがみつきつづけた
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!真っ当に生きていれば、きっといいことがある。そう思わせてくれる物語
一見、よくある剣と魔法の世界のファンタジーに見えるが、そんな簡単な言葉でこの物語を語るのはもったいない。
読み始めれば、卓越した文章力と、練り込まれた世界観、そして様々に織り上げられた人間ドラマに引き込まれること間違いなし。
主人公のシドは、長年「やっと一人前の冒険者」という程度のシルバーランクの中年冒険者。
その胸にあるのは、上のランクに上がれずにいることの証である、くすんだ銀のバッジ。
彼を知らない人間は、その銀を揶揄する。だが、彼と時間を共にしてきた人間は、彼の人柄、その隠れた功績を知っている。
そこに至るまでの物語と、これから紡ぐであろう物語をしたくなる。
これぞ王道ファンタジ…続きを読む