一見、よくある剣と魔法の世界のファンタジーに見えるが、そんな簡単な言葉でこの物語を語るのはもったいない。
読み始めれば、卓越した文章力と、練り込まれた世界観、そして様々に織り上げられた人間ドラマに引き込まれること間違いなし。
主人公のシドは、長年「やっと一人前の冒険者」という程度のシルバーランクの中年冒険者。
その胸にあるのは、上のランクに上がれずにいることの証である、くすんだ銀のバッジ。
彼を知らない人間は、その銀を揶揄する。だが、彼と時間を共にしてきた人間は、彼の人柄、その隠れた功績を知っている。
そこに至るまでの物語と、これから紡ぐであろう物語をしたくなる。
これぞ王道ファンタジー、物語の力だ。
ベテラン冒険者である、シド。
永く、シルバーランクであったためその銀はくすんでしまっている。
揶揄も含めて、オクスドナイズドシルバーなどと呼ばれている。
けれどもそれは、彼が時間を無駄にしたき事を意味するものではなく、寧ろ刻んだ時間を明示しているようにも見える。
シドを知らぬ人は、彼のくすんだ銀を見て嘲笑う。
シドを知る人は、彼の再会を喜び称える。
その再会が彼の為人をあらわにし、また新たな出会いで彼の人柄が隠しようもないものだ。
この物語は、シドがシルバーランクとして過ごすことで誰かを救う冒険ではなく、彼自身の為の冒険に出るものだ。
一見便りなさげでやっぱり侮られてばかりのシドだが、一度事が起これば彼程に頼りになる人はいないのではないのだろうか。
物語はまだ途中。まだ、目的の地へと辿り着いたばかりで本当の冒険はこれからだろう。
是非とも、彼がどんな冒険をして、どう語られるかを引き続き読んでいきたい。
オススメです。
(42話まで読了のレビューです)
この物語は、成り上がりや下剋上のようなマイナスからの再起ではありません。
主人公は、良い仲間と良い冒険を続けてきたものと思われます。
ただ人生の転機、互いがよりよく生きるための分かれ道がきてしまったのです。
きっと読者の皆さんも、進学、就職、結婚など
誰も悪くない、そんな別れを経験してきたことでしょう。
そんな誰もが持つさびしさに向き合い、自分がどうありたいのかを思い、また歩き出すこの物語はファンタジーであってもきっと貴方の心に寄り添ってくれるでしょう。
筆力も描写も素晴らしく、恰好良い描写も秀逸。
テーマ的にスロースタートではありますがそれ以上の面白さがあると思います。
おススメです!
この物語の最初の魅力は、やはり主人公だと思います。
主人公シド・バレンスは、一見すると階位(ランク)の低い冴えないおっさん冒険者です。でも、その実は、超一級の実力と、いつも自分以外を優先してしまうほどの優しさを持ったイケオジでした。
数々の輝かしい実績も功績も他人に譲り、人の為に隠してしまう。シドの背中は、彼を知っている者が見れば何よりも頼もしいことでしょう。
そんな主人公の魅力が、じんわりと物語全体から漂ってきます。
一度でも、この物語を読めば彼に惚れること、間違いなしです。
女性なら、きっと彼のかっこよさと渋さに惚れちゃうでしょう。
男性なら、彼のかっこいい生き様に憧れを抱くでしょう。
そんな、魅力あふれるイケオジが主人公の物語です。
主人公以外にも、数々の魅力が作品の中に込められていますが、それはご自分の目で確かめてみてください。
まだ、物語は序盤です。
これから、主人公シド・バレンスは最大・最難の大迷宮に挑んでいきます。
魅力あふれるイケオジ主人公による最大の冒険、リアタイで追ってみては如何でしょうか?
遠野文学の新たなる挑戦‼️
これは期待せざるを得ない
ガンバレおっさん、あんたの背中にたくさんの仲間がいる、絶対にヒーローに成り上がれ、応援しでるぞ
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