くすむほどの色になった時間があるからこそ頼りになる
- ★★★ Excellent!!!
ベテラン冒険者である、シド。
永く、シルバーランクであったためその銀はくすんでしまっている。
揶揄も含めて、オクスドナイズドシルバーなどと呼ばれている。
けれどもそれは、彼が時間を無駄にしたき事を意味するものではなく、寧ろ刻んだ時間を明示しているようにも見える。
シドを知らぬ人は、彼のくすんだ銀を見て嘲笑う。
シドを知る人は、彼の再会を喜び称える。
その再会が彼の為人をあらわにし、また新たな出会いで彼の人柄が隠しようもないものだ。
この物語は、シドがシルバーランクとして過ごすことで誰かを救う冒険ではなく、彼自身の為の冒険に出るものだ。
一見便りなさげでやっぱり侮られてばかりのシドだが、一度事が起これば彼程に頼りになる人はいないのではないのだろうか。
物語はまだ途中。まだ、目的の地へと辿り着いたばかりで本当の冒険はこれからだろう。
是非とも、彼がどんな冒険をして、どう語られるかを引き続き読んでいきたい。
オススメです。
(42話まで読了のレビューです)