概要
生きたい昨日に生かされる 死にたい明日がかわいそう
エンターキーの連続だった。
琴寺想(ことでらそう)は、芽立里璃愛(めりつりりあ)が描いたデジタルアートに目を奪われ、心を掴まれた。
誰の目にも同じように映る究極の二次元。全方位的であり、でも、だからこそ、自分だけに一直線的に向けられたもののように感じるそれに、想は自分なりの解釈を抱く。
その解釈を作者である璃愛に伝えたとき——「『わたし』だ!」
彼女の嬉しそうな叫び声と共に、詩に損ないの青春が始まる。
琴寺想(ことでらそう)は、芽立里璃愛(めりつりりあ)が描いたデジタルアートに目を奪われ、心を掴まれた。
誰の目にも同じように映る究極の二次元。全方位的であり、でも、だからこそ、自分だけに一直線的に向けられたもののように感じるそれに、想は自分なりの解釈を抱く。
その解釈を作者である璃愛に伝えたとき——「『わたし』だ!」
彼女の嬉しそうな叫び声と共に、詩に損ないの青春が始まる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「死に物狂いで死んでいる。だから生きられる。」
ひとこと紹介の言葉に心惹かれた読者さまはぜったいに読みましょう。読めば、刺さります。
小説から氾濫する語彙力の海に溺れて、こちらの語彙力は喪われましたが、それではレビューにならないので。
「エンターキーの連続だった。」
廊下の壁に貼りだされた前衛的な美術部のデジタルアートに視線を奪われた想は、部員のはからいで、その絵を創作した璃愛に直接、感想を伝えることになる。他人が聴けば、取りとめのない感想。だが、最も絵の核心に触れた感覚的な感想――璃愛は眼を輝かせて、叫んだ。
――――「『わたし』だ!!」
これは『わたし』と逢ったふたりの青春物語。
璃愛の感性は独創的で。でも他人の理解を拒絶する…続きを読む