第五話 もう他人だと言うこと
怒りならばまだ良かったと思う。ケンカなら謝れる。けれどもあれは、失望。
自室の勉強机に座って、表情のない天井を見上げる。
もう他人だと言うことだろうか。
いやいや、そもそも他人だっただろう。でも、『わたしだ』って言ってくれた。いや、それも一方的な話だった。勘違いだったのかもしれない。考えてもみれば、圧倒的に一方的だったじゃないか。向こうから、勝手に同一視して……
「嬉しかったな」
どんな形であれ、認められたのだ。
なんで好きになれそうなのだろうか。
「……『わたし』、か」
答えは単純明快だった。
僕は椅子から立ち上がって、自室を出て、父の部屋へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます