概要
いけないこと。そう思えば思う程にのめりこむ
スマホのホーム画面を見ると、いつの間にかインストールされていた謎のアプリ。好奇心から起動すると、盗聴アプリだった。説明によると、ぬいぐるみに仕込まれた盗聴器の音声を、ライブもしくは自動で編集されたファイルのどちらかで聞けるらしい。
いけないことだと思いつつもファイルを再生すると、聞き覚えのある声。ぬいぐるみを「あなた」と呼んだことで確信する。職場にいる気弱で控えめな後輩だ。
以前、ぬいぐるみに「あなた」という名前をつけているのだと恥ずかしそうに教えてくれた。二人称をつけるなんて不思議な感性だなと思ったのを覚えている。生々しい生活音と、普段の弱々しい声とは違う甘くてとろけそうになる声。悪いことだとは思いながらも、毎晩再生するのを辞められない。
いけないことだと思いつつもファイルを再生すると、聞き覚えのある声。ぬいぐるみを「あなた」と呼んだことで確信する。職場にいる気弱で控えめな後輩だ。
以前、ぬいぐるみに「あなた」という名前をつけているのだと恥ずかしそうに教えてくれた。二人称をつけるなんて不思議な感性だなと思ったのを覚えている。生々しい生活音と、普段の弱々しい声とは違う甘くてとろけそうになる声。悪いことだとは思いながらも、毎晩再生するのを辞められない。
感謝の気持ちくらいしか、返せねえんだ。ありがてぇ、ありがてぇ……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この不可思議な感覚が、才能ってものなんですね( ;∀;)
僕は物語を拝読させて頂く時に、基本的にあらすじは見ない様にしています。ただし、それは絶対ではありません。例えば映画を観る場合、シアターでCMを見ると僕は無性にワクワクしてしまい、その映画がとても気になってしまいます。だから、それと同じ理屈で、物語のあらすじを見る事を完全には否定できないと思っています。
さて、こちらの物語。僕はあらすじをパッと眺めた瞬間、とてもしっかり書かれている気がしたので、失礼ですがすぐに本編へと移りました。こちらの筆者様のお書きになる物語は初見となりますので、純粋に文章だけを拝読しようと考えました。
そして拝読後にその判断は正しくて、また誤りでもあったと感じています…続きを読む