概要
2017.11.15単行本&電子書籍発売。
※書籍版試し読みは、ビーズログ文庫公式(カクヨム)で閲覧出来ます。
(ビーズログ文庫×カクヨム 恋愛小説コンテスト 特別賞受賞)
カバーイラスト弓槻みあ先生。
素敵なブックカバーです。
書籍(縦書き)は何度も推敲を重ね、原作に加筆してあるので、Web版とは若干異なります。
さらに書き下ろし短編『エピローグは蜜より甘く』32頁収録。
11月13日、本編にて【書籍化御礼 裏話 (1頁)】公開。
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人間不信の自称作家と、不器用で冴えない派遣社員。
作家只野は、一度も書いたことのない恋愛小説の連載を引き受け、そのイメージを膨らませるために、スーパーの冴えない女性店員(まひる)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!着流し偏屈先生と、冴えないメガネ女子が紡 ぐ刺激的な痛快ラブストーリー
自称作家で偏屈極まりない只野直人。片や冴えない黒縁メガネ女子・御園まひる。
この二人が織りなす刺激的なラブストーリー。
二人の出会いは、やはり刺激的な出会いだったのか――?
こともあろうに、まひるは只野直人に頭から生卵をぶちまけてしまう。
なんとも波乱万丈な出会いだったが、これを切っ掛けに二人は意識し合う仲に……。
まひるの同居人のみやこは、酒に酔うと男をお持ち帰りする癖があり。これが後々波乱を産むのだが……。
まひるの勤めるスーパーの店長も一癖も二癖もある曲者。彼の企みによって物語は大きく騒ぎ始める。
まひるが只野を呼ぶ名前が、只野先生から先生と変わる瞬間、彼女の心…続きを読む - ★★★ Excellent!!!不器用ながら真っ直ぐな恋模様がじんわりと描かれた、味わい深い恋愛長編。
作家志望だけれど作品が認められない偏屈で風変わりな男、只野。派遣社員としてスーパーで働く地味な女性、まひる。輝かしいサクセスストーリーとは縁がないように見えるそんなふたりが、スーパーの生卵売り場で衝撃的(?)に出会い、少しずつ互いを理解し、歩み寄っていく。不器用ながら真っ直ぐな二人の姿が温かく、じんわりと描かれた、とても味わい深い恋愛長編です。
主人公であるまひる、只野。まひるの親友のみやこ。まひるの勤務先の上司、みやこの勤める出版社の編集長。まひるの両親——。主人公のみならず、登場人物達全ての人間性や個性が細やかに描き出され、彼らが紡ぎ出す情景や台詞の一つ一つが、物語を非常に濃く味わい深い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!プロローグには『刺激』が大切。
偏屈で不器用、「問題ない」が口癖の只野さんは、友人であるセシリア社の編集長から書いたこともない恋愛小説を書いて欲しいと依頼されます。
そんな折、スーパーの店員であるまひるさんから生卵を頭からぶっかけられるという『刺激的』な出会いをします。
ふたりの身に起きる『刺激的』な事件を機に、物語は大きく動き出していきます。
只野さんとまひるさんを取り巻く人達も、個性的。
思わずくすっと笑ってしまう場面もあり、どきどきするシチュエーションもあり、と最後まで物語の世界に浸ることができます。
刺激的なプロローグを、味わってみてはいかがでしょうか。 - ★★★ Excellent!!!タイトル通りとは恐れ入った。
開幕、情事。あくまで作中作の話ですが。
刺激的なプロローグが大切という通り、刺激的な冒頭。読者を惹き付けるには十分ですね。
とりあえず、タイトル通りの作品です。刺激的なプロローグがキーワード。今作はそれが始まるまでの物語でしょうか。
内容もまた刺激的。普通の恋愛ではこんなこと起こりませんし。それでいて温かみもある、優しさを感じる作品でした。
ストーリーは軸が二つあります。歴史小説ばかり書いている変な主人公が恋愛小説を書くこと、地味な女性との恋愛。
この主人公、変なのですよね。序盤の時点でそうだと悟りました。ツッコミどころが満載。見ていて面白い。ギャグかよってくらいに。偏屈だけと嫌…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読者は刺激的な恋を求めてる
うん、刺激的過ぎる(色んな意味で)。
恋愛小説かいたことないけど、書くはめになった小説家。問題ない、が口癖だけど、問題ありすぎ発言連発。
主人公の性格がツッコミどころ、ありすぎて面白いです。天然すぎます、どうやっていままで生活できていたのでしょう。
でも、途中から、彼に惚れてしまいました。
キャラがたってます。ヒロインもかわいいし、周りのキャラも個性派ぞろい。
意外な展開もあります。
盛り上がる展開多数。
ハラハラな恋の行方、気になります。
感動もあります。
タイトル回収、最高です。
書籍化作品なので勉強のために読みはじめたのに、いつの間にか、ただ楽しんでしまいました。書籍購入して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!恋愛小説のお手本のような構成
男女が出会い、障害を乗り越えて結ばれるというのが恋愛小説の基本的なプロットで、その障害が大きなものであればあるほどフィナーレが盛り上がります。
本作は初っ端から「頭から卵をかぶる」という珍しいもので読者を惹きつけてくれます。
加えて、重くなりすぎない程度に描かれる犯罪や邪魔者の存在が、一風変わった主人公とヒロインの間をかき回しつつも、結果的に近づける役目を持っていて驚かされます。
また、物理的な障壁による会えない時間、秘密の仕事、同僚のプラトニックとは呼べない恋愛など、ページを進ませるネタが随所に散りばめられています。
濃厚な恋愛小説やディティールにこだわる方は物足りないと感じるかもしれませ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!不器用な大人の恋愛物語、その最高峰です
スーパーで働く鈍くさいまひるは、まったく売れない作家に生卵を浴びせてしまう。
出会いは最悪。けれど、二人の奇妙な純愛物語がそこから始まる――。
自己中で不遜な只野先生は、もう最初は思わず飛び蹴りしたくなるほど俺様な性格。
対して、まひるは苦労しているくせに世間知らずで騙されやすく、とっても心配な27歳。
なのになのに、読み進めるうちに途中からどんどんこの二人のことが好きになる自分がいました。
只野先生なんて、株がびっくりストップ高のうなぎ登り!
まひるも、後半は面倒臭い只野先生をよしなにあしらって素晴らしい手腕です。
会話のキャッチボールも秀逸で、コミカルな部分は吹き出してしまうほど面…続きを読む - ★★★ Excellent!!!溶岩から黄金へ
地面の下で煮えたぎる溶岩が地表に近い場所で少しずつ冷えて固まり、いつか採掘され、砕かれ、選別されてからまた高温高圧にさらされる。触媒を使って不純物を取り除き、残りが再び冷えて固まることで各種の金属が誕生する。
本作は、最初から黄金たるべく運命づけられた溶岩だろう。作者の心の中で渦巻く言葉が創作意欲や情熱によって読者に届けられる。左様、読者は溶岩を受け取る大地であり精錬する技術者でもある。
主人公の言動を受け取っていて、場違いにも故 司馬遼太郎先生の『関ヶ原(新潮社)』を思い出した。横柄傲慢な三成は実は繊細で細かい配慮の行き届く人間でもあり、詩人にでもなれば良かったなどとまでいわれる。無…続きを読む