着流し偏屈先生と、冴えないメガネ女子が紡 ぐ刺激的な痛快ラブストーリー

 自称作家で偏屈極まりない只野直人。片や冴えない黒縁メガネ女子・御園まひる。
 この二人が織りなす刺激的なラブストーリー。

 二人の出会いは、やはり刺激的な出会いだったのか――?

 こともあろうに、まひるは只野直人に頭から生卵をぶちまけてしまう。
 なんとも波乱万丈な出会いだったが、これを切っ掛けに二人は意識し合う仲に……。

 まひるの同居人のみやこは、酒に酔うと男をお持ち帰りする癖があり。これが後々波乱を産むのだが……。
 まひるの勤めるスーパーの店長も一癖も二癖もある曲者。彼の企みによって物語は大きく騒ぎ始める。

 まひるが只野を呼ぶ名前が、只野先生から先生と変わる瞬間、彼女の心が動く描写は必見。一話事の文字数が少ないが故に、それが幸いとして読みやすい。
 コミカルでセリフが独特なのがこれまた面白い。所々、ギャグコメディーの要素を持ちながら、恋愛物に寄せていく描写も素晴らしい。心に染みるセリフを入れるからギャップに萌えてしまうのでしょう。

 まひるを見守る両親も暖かい存在。親は子供を信じていたいものです。

 笑いと涙とホッコリじんわりが交差するヒューマンドラマは読後感が清々しいです。

 刺激的なタイトル通り、内容はやはり刺激的でした。

 二人の結婚後はタイトルのような、刺激的な生活ではなくて、穏やかな人生を歩むのでしょうね。生まれた赤ちゃんは、偏屈な人になってほしくない……ですね。

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