気持ちの整理

「で何があったのよ。」

僕は言うのをためらってしまったが心配した顔で言ってくるので重い口を開いた。

「ほたると別れることにした。ごめんよ、楽しい雰囲気をぶち壊して。」

少し驚いていた。そりゃそうだろういきなりこんな事言われてもな。

「そっか、自分で決めたんだな。一応聞くけどなんで。」

僕は今までの事を思い出した。楽しい記憶と悲しい記憶どっちも浮かんでいたが今あるほたるはまるで色がない世界に取り残されているようだった。そんなほたるは僕は見るに堪えられなくなっていた。

「ほたるの幸せを考えて。」

ふと気が付いたが僕のためでもあるような気がしていた。それは封印して考えないようにしていたが咄嗟に出てきてしまった。そう考えるとまだ一緒に同じ時間を歩けると考えてしまうからである。僕の視界が酒のせいか揺らいでいたのが分かった。

「大丈夫か。とりあえずティッシュで拭いて。」

原因は涙だった。あんなに枯れるまで流したのに泊まることを知らない。

「まあ決めたことをとやかく言える立場じゃあないけど自分が決めたことなら良いんじゃないの。優しいやつだよな昔から。まだ会うんだから今度はそのことを伝えたら、不器用なのは分かるけどさようならだけじゃ伝わらないと思うよ。」

そう言われてもう一度しっかりと話をしようと思ってチャットを見たけど当然の様に既読はついてなかった。

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